箱根・大涌谷の火山ガス濃度上昇 観光客33人が一時避難

箱根・大涌谷(資料写真)

 神奈川県箱根町は31日、箱根山(同町)の大涌谷園地周辺で火山ガス濃度が一時的に上昇し、観光客を建物内に避難させたと発表した。けが人はいない。

 同町総務防災課によると、同日午前10時10分ごろ、園地内に町が設置する火山ガス自動計測装置3台のうち1台で、二酸化硫黄(SO2)の瞬間計測値5ppmを記録した。2019年に改訂された避難誘導マニュアルに従い、4段階ある基準のうちの上から2番目の「注意情報」を流し、観光客33人が園地内の施設内に避難した。同10時半ごろには最大7.6ppmを記録したが、徐々に濃度が低下したため、町は正午に注意情報を解除した。

 町は「東寄りの風が吹いていたため、瞬間的に発生した濃度の濃いガスが西側の園地で計測されたと思われる」と推測。SO2濃度が5ppm以上を観測するのは、19年10月に噴火警戒レベルが1(活火山であることに留意)に引き下げられて以降初という。

 県温泉地学研究所は「ガスの総量の増加などは確認されていない。今後の観測データの推移に留意したい」としている。

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