AKB48は私が守ります! 19歳小栗有以 8年目の覚悟

AKB48の次世代エース・小栗有以

今年、黄金期を支えた1期生がいなくなったAKB48。“新生AKB”を引っ張るメンバーとして期待されるのが、小栗有以(19)だ。センター経験者でソロとしても活躍の場を広げる小栗が「自分がやらなきゃ」と宣言。逆襲の中で芽生えた自覚と「AKBを守っていかないといけない」と語る覚悟に迫った。

2005年12月8日に秋葉原の劇場で誕生したAKB48。今年5月、峯岸みなみが卒業したことで「国民的アイドルグループ」を支えた1期生は皆いなくなった。

小栗は14年に各都道府県の代表からなるチーム8の東京都代表として加入し、18年にはAKB48のシングル「Teacher Teacher」で初センターに抜てきされた。次世代メンバーとして活動してきたが、世間からは黄金期と比較する声にさらされてきた。

「やっぱり世間の方に聞くと、“AKB48といえば”が前田敦子さんら神7の方だったりする。そうじゃなくても名前が挙がるのは、峯岸みなみさんだったり、現役ならゆきりん(柏木由紀)さん。今のAKB48を知ってもらわないといけない」

コロナ禍はアイドルにとっても試練を与え、多くのグループが活動停滞を余儀なくされた。AKB48もその一つだが、今月29日に前作から約1年半ぶりのシングル「根も葉もRumor」を発売。小栗は18人の選抜メンバーに選ばれた。

7月放送のTBS系音楽特番「音楽の日」で、小栗はグループの中心メンバーとしてパフォーマンスした。

「番組に代表として呼んでいただけたり、任せていただく機会も増えた。みーおんさん(総監督の向井地美音)からMC役を任されたりして。自然と“自分がやらなきゃ”という気持ちも芽生えてきました。歌番組出演などが決まると、メンバー同士でこれからのAKBなどを話し合う機会もある。私も選抜メンバーの1人。自分の考えを言ったり、経験を後輩に伝えることもしていかなきゃと思います」

ソロとしてはモデルや女優としても活躍。9月10日公開の怪談エンターテインメント映画「未成仏百物語~AKB48異界への灯火寺~」では、不可思議な現象に巻き込まれる1人暮らしの女子大生役に挑戦している。

「驚いたり、おびえている顔を表現したり。私は普段は感情が表に出にくいので、最初はできるかなとドキドキしていたんですけど、監督さんとも話しつつ恐怖感を感じながら演じられました。自分でも想像したりして、恐怖の感情を持って演じられた。自分はできるんだと発見もありました」

もっとも、女優として活動するのは「AKB48に還元できれば」との思いがあるからだ。「『グループを大きくするために、どうしたらいいか』をみんなで考えましたし、自分でも考えて。グループの中で頑張るのは当然ですけど、個人としても活躍することも大事だと。多くの方に知っていただいて、自分を好きになってくれた方がAKB48を好きになってくれるという輪が広がればいいなって」

今後については「演技の幅が増えて、いろんな役を演じられたら素直に楽しいです」。続けて「まだまだ勉強しなきゃですけど」と断った上で「いつかは…いつかのいつかは…ですけど、朝ドラに。先輩の川栄(李奈)さんのようになれたら」と告白。11月1日スタート予定のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」で上白石萌音、深津絵里とともにヒロインを務めるAKB出身の先輩女優の名を挙げた。

グループに加入して7年。先輩の背中をずっと見てきた小栗は「それじゃダメだと気づいて」とポツリ。思わず記者が「大人になりましたね」とつぶやくと、「私も後輩でいられるならずっと後輩でいたいんですけど」と苦笑いした後に「でも、これからは責任感を持ってAKBを守っていかないといけないと思ってます」と誓った。

☆おぐり・ゆい 2001年12月26日生まれ、東京都出身。14年にAKB48チーム8に加入。16年のシングル「ハイテンション」で初めて選抜入りし、中心メンバーとして活動している。ドラマ「マジムリ学園」の主演や舞台などでも活躍。ファッション誌「LARME」のレギュラーモデルも務める。今年1月から芸能事務所「ゼスト」に所属している。

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