東京パラ 車いすバスケ 史上初の4強 勝利の立役者、鳥海がダブルダブル達成

【準々決勝、日本-オーストラリア】第1クオーター、交錯しながら攻め込む鳥海=有明アリーナ

 車いすバスケットボール男子の日本が初めて準決勝へ進んだ。勝利の立役者となったのは長崎市出身の若きエース鳥海(パラ神奈川SC)。15得点、12リバウンドの“ダブルダブル”を達成するなど攻守で輝きを放ったヒーローは「リオから5年。ここに向けていろんな大会に臨んできた。4強入りできてうれしい」と声を弾ませた。
 2018年世界選手権3位のオーストラリアを相手に、序盤から主導権を握った。勢いをつけたのは鳥海だ。試合開始56秒で先制ゴールを決めると、6分過ぎにはパスカットからカウンターを仕掛けてシュート。計20得点の香西(NO EXCUSE)の3点シュートなどもあり、前半を35-30で折り返すと、第3クオーター終了時点で47-39とリードを広げた。
 鳥海がベンチに下がった第4クオーターは、残り6分40秒で2点差まで迫られたが、エースはここから再びコートへ。粘り強いディフェンスでチームに落ち着きを取り戻すと、残り1分31秒の場面でパスカットからダメ押しのシュート。藤本(宮城MAX)らスコアラーの健闘もあり、最後は61-55で振り切った。
 悲願のメダル獲得まであと1勝。3日の準決勝は18年世界選手権王者の英国と対戦する。「とてもわくわくしている。この12人で戦えることがうれしい」(鳥海)。大一番も今まで通り、激しいディフェンスとチーム力で世界を倒しにいく。

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