東京パラ 車いすバスケ 川原「今が一番楽しんでる」 体張り攻守に貢献

【準々決勝、日本―オーストラリア】第4クオーター、ハイポインター相手に粘り強くディフェンスする川原(左)=有明アリーナ

 相手の進路を素早く防ぎ、厳しいチェックで攻撃の芽を摘む。日本の主力に定着した長崎市出身の川原(千葉ホークス)が、自らの「見せ場」と表現するのは、チームも重点を置くディフェンス。「ローポインターは相手の攻めどころになるけれど、僕が頑張ることでチームのディフェンスがより一層強くなる」。この決意を胸に、準々決勝は勝負の後半を中心とした起用に体を張って応えた。
 脊髄腫瘍で生まれつき下半身にまひがある。持ち点は1.5点で、障害が重いクラスの「ローポインター」。攻めては相手ディフェンスをブロックして味方の「盾」となり、気持ち良くシュートを打たせる。体幹が安定して上半身の可動域が広い持ち点4.0以上の「ハイポインター」らを生かすのが主な仕事だ。
 目立つのは数字で活躍が分かりやすいポイントゲッターだが、彼らが得点を重ねる時はローポインターも仕事ができているということ。攻守で献身的に動き回って仲間を支える。代表入りして5年目の24歳。その役割を全うしようと重ねた努力が、初の大舞台で成果となって表れている。
 パラで試合を重ねるごとに新たな勉強ができている。自分もチームもレベルが上がり「戦えている」という感覚がある。「今が一番、バスケットを楽しんでいるかもしれない」。残り2試合。最後までベストを尽くし、さらなる成長へつなげていく。


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