DeNA19歳・森に訪れた試練 打てず送れず5の0、左腕に12の0も指揮官は「日々勉強」

DeNA・森敬斗【写真:荒川祐史】

2年目のドラフト1位に期待も…直近では3戦連続無安打と苦しむ

■広島 11ー3 DeNA(2日・横浜)

19歳のホープに試練が訪れている。DeNA・森敬斗内野手は2日、本拠地横浜スタジアムで行われた広島戦に「2番・遊撃」で4試合ぶりのスタメン出場を果たしたが、5打数無安打3三振に終わった。1軍の壁にぶつかった格好だが、一方で見逃せない魅力も放っている。

1回1死一塁では広島先発の右腕・九里に対し、初球に送りバントを試みるもファウル。強攻に変わった2球目も外角のシュートをファウル。最低でも進塁打が求められる場面だったが、3球目も外角低めのチェンジアップにバットが届かず三振に倒れた。

2点ビハインドで迎えた5回無死一、二塁でも重要な送りバントを命じられたが、初球を捕手・坂倉の目の前に転がしてしまい、二塁走者が三塁で封殺され失敗。同点機をつくれず、敗戦の一因となった。

さらに7回無死一塁では、広島2番手の左腕・塹江に空振り三振。9回1死走者なしでも、同じく左腕の森浦に空振り三振を喫した。三浦大輔監督は「左対左」の場面でもあえて代打を送らず、フル出場させたが、森は左投手に対し今季12打数無安打1四球となり、左腕対策が課題として浮上した。

三浦監督「思い切りの良さが見受けられない」

神奈川・桐蔭学園高からドラフト1位で入団し2年目。開幕は2軍スタートだったが、ペナントレース前半戦終盤の7月10日に1軍へ初昇格すると、同11日の中日戦以降12試合中11試合でスタメンに名を連ねた。8月17日の阪神戦では初の猛打賞(5打数3安打)。遊撃レギュラーの大和を圧倒する勢いを示した。

しかし、ここにきて相手に覚えられたのか、最近先発出場した試合は3戦連続無安打(10打数無安打8三振)。三浦監督は「ちょっとスイングに迷いがあるのか、ここのところ思い切りの良さが見受けられない。しっかり準備して打席に立てるように、コーチとも話をしてほしい」と語りつつ、「日々勉強だと思います」と若武者の悪戦苦闘を前向きにとらえている。

森ならではの仕事もある。スタメンを外れた1日の同カードでは、7回無死一塁で佐野の代走として登場。4番オースティンのカウント2-1からの4球目に二盗を決め、捕手・坂倉の送球がそれ外野へ転がるの見て、三塁を陥れた。今季1軍では2つ目の盗塁だが、2軍では16盗塁を量産している。

DeNAの今季チーム盗塁数は12球団ワーストの23と極端に少ない。森のような走力のある選手が、ぜひともレギュラーに欲しいところだ。勝利を優先しつつ、ポテンシャルあふれる19歳にどう経験を積ませ育てていくか。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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