大磯駅前整備「曲折あったが―」 市民意見踏まえ新たな計画策定 安全・利便性向上図る

車両に気を付けながらJR大磯駅前の横断歩道を渡る歩行者=大磯町大磯

 JR大磯駅前広場の整備を巡り、神奈川県大磯町は4日までに新たな計画を策定した。2018年に最初の計画案を示してから、2度の修正を経てまとめた。利便性向上や事故のリスク軽減を目指す整備は、早くても当初予定から3年遅れの25年度中に完了する見通し。

 現在の駅舎前は、信号機のない約15メートルの横断歩道の脇に2列で停車可能なタクシーの停車スペースがある。駅前の車道を走行する車両から横断歩道を渡る歩行者が死角に入り危険なため、改善が求められていた。

 町が18年3月に示した計画案は、駅舎前の歩道を車道側にせり出す形状に変え、横断歩道の長さを半分程度にし、死角を減らすために停車スペースの幅を1台分に狭めた。しかし、形状などに町民が反対。今年2月の修正案は、横断歩道は現況のままとし、停車スペースについて計画案を踏襲したが、一部町民から「今とほとんど変わらない」と再び反対の声が上がった。

 こうした町民意見を踏まえて8月に策定した今回の計画案は、停車スペースは2月の修正案のままにし、横断歩道上に点字ブロックや駅舎前に車で移動する車いす利用者らの乗降スペースを設け、障害者の安全性や利便性の向上を図った。

 町都市計画課は「曲折はあったが、町民の意見を幅広く反映した。安全で使いやすい玄関口にし、町の魅力を高めたい」としている。

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