設置簡単、持ち運びOK 学校教育用パーティション開発 長崎大研究グループ 付属小に150台導入

長崎大が開発した学校教育用パーティション(同大教育学部・峰松研究室提供)

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、児童生徒の学びの場の保障と健康・安全を両立させようと、長崎大の研究グループが、授業中やマスクを外す給食時に児童、生徒の飛沫(ひまつ)感染を防ぐ学校教育用パーティションを開発した。折り畳んで持ち運べ、簡単に設置できるのが特長。今月中に長崎大付属小に150台先行導入する。

飛沫拡散防止のイメージ

 同大教育学部の峰松和夫教授(学校保健学)と工学部の坂口大作教授(流体工学)らの研究グループが共同開発。数値流体力学による実証実験で、学習机に設置したパーティションの高さが口元から20センチ以上あると、乗り越えて流出する飛沫の量が少なくなることを確認した。
 小学校低学年用は高さ60センチ、幅60センチ、奥行き30センチほどで、重さは約1.2キロ。全面アクリル板なので児童と教員の視界は良好。除菌もしやすい。両側のバンドで机に簡単に固定でき、滑り止めで落下を防ぐ。軽くて持ち運びも簡単で、教室を移動しても使用できる。
 3日、長崎大文教キャンパスで記者発表した峰松教授は「コロナ禍の中でも、パーティションを活用して子どもたちの学びが深まるような展開を考えて作った」と説明した。
 長崎市の総合商社「東洋産業」が製品化し、販売を開始。同大は今後、公立小中、高校や保育園、幼稚園、放課後児童クラブなど多くの教育機関に、開発したパーティションの利用を促す。

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