ついに自力優勝の可能性が消滅した。ソフトバンクが7日の西武戦(メットライフ)に5―6で逆転負け。勝率5割に逆戻りした。
打線が9連敗中の高橋から5点を奪うと、リリーフ陣も4回途中から0を並べていた。しかし、6番手の甲斐野が8回に二死を取ってから4連打を浴びて3点を失い逆転された。工藤監督は「アウト1個を取るのは難しいね」と淡々と振り返った。
首位・オリックスとは5ゲーム差。今後も離脱者の復帰が控えており、まだ悲観する状況ではない。昨季は最終盤でロッテにゲーム差なしに迫られてから「21勝3敗」という驚異的な末脚を見せている。ただ、悩ましいのが頼れる大砲・グラシアルの復帰時期がはっきりとしないことだ。
5月に右手薬指の骨折などにより戦線離脱。患部を固定していたことで指の動きが悪くなっており長期化している。「マジメな選手。リハビリも一生懸命取り組んでいると聞いています。ただ、しっかり治して戻りたいという中で、本人の感覚としてしっくりこない状態が続いているようです」(チーム関係者)。ストイックさでも知られるグラシアル。直近に打ち込んだ時も、まだまだ納得できない段階であることを口にしていたという。
完璧主義であるがゆえにファームでの実戦復帰後も同様に時間を要する可能性もあるが、その一方でいざ復帰となれば〝完全体〟での姿が期待できる。なかなか乗り切れないソフトバンク。ラストスパートへ〝最終兵器〟が間に合うか。