韓国紙「さくらんぼ国産化で中国を見習おう」「韓国は95%が日本産...栽培難しく」

韓国の農業当局者が、チェリー(さくらんぼ)の品種育成や栽培に熱意を傾ける中国の取り組みに関心を向けている。韓国は日本など外国産チェリーが95%を占めている。

慶尚南道農業技術院園芸科のイ・ソヒョン農業研究士は7日、地元紙である「ニュース慶南」への寄稿文において、韓国と海を隔てて距離が近い中国山東省のチェリー栽培取り組みを紹介し、「中国はチェリーの品質向上と生産量増大のための国と農業の意志が強い」と評価した。

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イ研究士は、中国も韓国も19世紀末頃にチェリーの栽培を開始したと推測し、「中国のチェリー栽培は長い時間をかけ、ゆっくりと発展し、1960年代に至って初めて国の研究機関によってチェリー品種育種を開始した」と紹介。続けて、「1990年代に山東省と遼寧省の大規模な商業チェリー主産地が形成され、栽培が本格的に始まった」と説明した。

現在、中国の生食用チェリーの栽培面積は18万㏊で山東省がその半分の8.2万㏊を占める。生産されるチェリーは年間120万トンで、世界の生産量の約半分を占めるほどだ。イ研究士は「生産されたチェリーは、中国内の消費がほとんどであるが、中国人のチェリーの関心と消費は日増しに増加している」とし、中国人のチェリー愛が高いことを伝えた。

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イ研究士は「中国はチェリーの品質向上と生産量増大のための国と農業の意志が強い」ことを指摘し、研究機関が様々な品種育種と栽培技術を研究し、地域に合った品種が栽培され、ノウハウを蓄積していると伝えた上で、「このように、中国の刮目すべきチェリー産業の発展は、100年以上をかけたものだ」と伝えている。

一方で韓国でも国家研究機関による品種育成が開始されたが、「高品質のチェリーを生産するための品種の選択と栽培技術の困難が多い」とし、「果樹栽培に長けた農業者もチェリー栽培には多くの試行錯誤を経ている」と述べつつも、中国のように時間をかけてでも「将来的には、高品質の韓国産チェリーを私たちの周りで簡単に購入できる日が来る」ことを期待した。

韓国農漁民新聞は今年6月11日に報じたところによると、現在、韓国のチェリー市場は95%が日本産とされる。同紙は、全世界で日本だけがチェリーを輸入しない国であると指摘し、日本のチェリーが最も美味しいことから、他国から輸入しても売れないと指摘しつつ、韓国産チェリーの奮闘を促している。

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