始まりは衝撃のサヨナラ負け「最初のやられ方が尾を引いた」
■DeNA 4―1 巨人(8日・横浜)
DeNAは8日、本拠地・横浜スタジアムで行われた巨人戦に4-1と完勝。巨人に対しては今季開幕から3分けを挟み悪夢の8連敗を喫したが、7月4日の対戦で初勝利を挙げて以降、逆に1分けを挟んで5連勝。就任1年目の三浦大輔監督率いるベイスターズは、どうやって流れを変えたのか――。
前日7日の同カードでは、昨季限りで巨人を戦力外となった宮國椋丞投手が先発し、古巣を相手に移籍後初勝利を挙げた。その勢いを引き継ぎ、この日も先発の大貫晋一投手が6回まで7安打を浴びながら1失点の好投。三浦監督は「ブルペンでは良くないと聞いていましたが、マウンドでしっかりゲームをつくってくれました。ランナーを出しながら連打は許さず、粘り強く内外角の両サイドに制球していました」と称えた。
打線も初回、かつてのチームメートでもある巨人先発の山口を攻め、宮崎敏郎内野手と牧秀悟内野手の連続タイムリーで2点を先制。4、5回にはいずれも併殺崩れの間にそつなく1点ずつ加点した。
対巨人は、3月26日の開幕戦(東京ドーム)からショッキングなスタートだった。同点で迎えた9回、亀井に代打サヨナラソロを被弾。以降、3分けを含め11試合にわたって巨人に勝てなかった。三浦監督は「最初のやられ方が尾を引いた気はします。内容的にいい試合もあったけれど、追いつかれて引き分けたりしていましたから……」と振り返る。巨人との相性はそのままチーム成績に反映され、最下位に低迷した。
球団史上最高タイの3位に入った交流戦から潮目が変わった
しかし、5月下旬に始まった交流戦で球団史上最高タイの3位に入り、潮目が変わる。巨人に対しても7月4日以降は、負けなしの5勝1分け(8日現在)。三浦監督は反転攻勢の要因に、先発投手の安定を挙げる。「春先に比べると長いイニングを投げて、ゲームをつくってくれるようになりました。相乗効果も生まれていて、前日の先発投手が結果を出せば、俺も負けていられないとなる。いい意味で刺激し合う形ができつつあります」とうなずくのだ。
前日の宮國の好投に刺激を受けた大貫の好投は、象徴的と言える。大貫自身、今季初勝利を挙げた後、5連敗を喫して2軍落ち。ところが約1か月間の調整を経て、6月27日の1軍復帰戦で白星をつかんで以降は、怒涛の5連勝で今季成績をトータル6勝5敗とした。
チームは広島と並んで5位タイとなり、4位の中日にもわずか0.5ゲーム差と肉薄。巨人戦は今季通算5勝8敗4分となり、残り8試合ある。最終的に5分以上へ持ち込むことができるかどうか。「選手たちはいい雰囲気で戦えている。これを大事にしていきたい」と語る三浦監督は、就任以来かつてない手応えを感じている。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)