再昇格後は無傷5連勝 DeNA大貫、復活の理由と昨季と変わらぬ“悩み”

DeNA・大貫真一【写真:荒川祐史】

8日の巨人戦で6回1失点と好投しチームトップの6勝目

■DeNA 4―1 巨人(8日・横浜)

今季もチームの勝ち頭に躍り出た。DeNAの大貫晋一投手は8日、本拠地・横浜スタジアムで行われた巨人戦に先発し6回7安打1失点。チームトップの今季6勝目(5敗)を挙げた。昨季チーム最多の10勝を挙げてブレークした3年目の右腕は今季、4月から5連敗を喫し、約1か月間の2軍調整を余儀なくされたが、1軍復帰後は一転5連勝となった。

下位打線を3者凡退に抑えた5回以外は毎回ヒットを打たれながら、粘りに粘った。3回無死一塁では、山口の投前への送りバントを軽快なフィールディングでさばき、二塁へ送球して併殺打に仕留めた。4回2死一、二塁では中島に右前打されたが、タイラー・オースティン外野手が本塁へのノーバウンド送球で走者を刺した。

4点をリードして迎えた6回には、松原の三塁打と吉川の左前適時打で失点し、なおも1死一塁のピンチが続いた。ここで4番の岡本和を、低めのツーシームで二飛に打ち取る。続く丸には、カウント3-2から内角低めのボールゾーンに落ちていくスライダーを振らせて三振に切って取り、両手でガッツポーズを作った。大貫は「2死でしたし、あそこで打ち取れるか、歩かせるかは大きく違う。勝負所で僕の一番いいボールを投げて結果が出たので、感情があふれました」と会心の笑みを浮かべた。

「実は、体重がまたちょっと減っちゃった」

5月26日のオリックス戦で2回途中KOされて5連敗となった後、2軍で再調整した。1軍に復帰した6月27日の阪神戦以降は、逆に1度も負けていない。三浦大輔監督は「(5連敗中は)腕が縮こまって、球が真ん中に集まったり、ワンバウンドしたりしていた。内、外角両サイドにしっかり投げられるようになったことが、結果につながっていると思う」と分析する。

2軍調整中は試行錯誤を重ねた。プレートの三塁方向を踏むようにしたのもその1つ。大貫は「ファームの試合やブルペンで徐々に感触をつかみました。(好調の)1つの要因だと思います」とうなずく。シーズン序盤こそ、就任1年目の三浦監督の期待を裏切ったが、昨季に続いてチーム最多の勝ち星となり、いまや安定感は随一。そこで改めて、昨年来の課題を口にした。「実は、体重がまたちょっと減っちゃった。何を食べれば体重を維持できるのか、これはいいぞという物を募集しています」。

181センチ、73キロのひょろっとした体形で「豆苗(とうみょう)」のニックネームで親しまれている。昨季終盤は体重が70キロ前後に減り、球威も落ちたと感じたことから、シーズンオフには1日最大7食を摂るなど増量に取り組んだ。それでも2~3キロ増が精いっぱい。今また体重減の傾向に悩まされている。押しも押されもせぬ先発の柱として、1年を通じてコンスタントに白星を挙げるためにも、逞しいボディを切望している。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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