スバル山内英輝が2番手をコンマ4秒引き離し、今季3度目のPPを獲得【第5戦GT300予選レポート】

 9月11日、2021年シーズンのスーパーGT第5戦『SUGO GT 300km RACE』の公式予選がスポーツランドSUGOで行われ、GT300クラスはSUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が2戦連続、今季3度目となるポールポジションを獲得した。

 昨年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響でスーパーGTの開催がなかったSUGO。そのため、今大会は2019年の第7戦以来2年ぶりのスーパーGT唯一の東北ラウンド開催となる。

 午前中に行われた公式練習では61号車SUBARU BRZ R&D SPORTの山内英輝が1分18秒217でトップタイムを記録。公式練習に引き続き曇り空のもと、公式予選は14時30分にスタートを迎えた。

■Q1 A組:SW15kgのK-tunes RC F GT3が最速

 気温24度、路面温度27度、湿度78%、路面はドライというコンディションのなか、14台が出走するQ1 A組は開始された。

 まず、31号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTの嵯峨宏紀が1分18秒847を記録しトップにおどり出ると、翌周も1分18秒733と自己ベストを更新する好走を見せる。

 しかし、セッションも残り1分を切ったなかでサクセスウエイト(SW)が15kgと軽いK-tunes RC F GT3の小高一斗が1分18秒389を記録してトップに浮上。その後も小高のタイムを上回る車両は現れず、K-tunes RC F GT3がQ1 A組をトップで終えることとなった。

 一方、ポイントランキング3番手につけ、75kgのSWを積む65号車LEON PYRAMID AMG、そしてランキング4位でSWを75kg積むGAINER TANAX GT-Rの2台がQ1敗退となった。

 Q1を突破したA組の8台は、K-tunes RC F GT3、Yogibo NSX GT3、グッドスマイル 初音ミク AMG、そしてマシントラブルで一時はQ1敗退かと思われたARTA NSX GT3が4番手で通過。続いてRUNUP RIVAUX GT-R、31号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT、たかのこの湯 GR Supra GT、JLOC ランボルギーニ GT3という顔ぶれになった。

 なお、Arnage AMG GT3、そして11日午前に行われた公式練習でクラッシュに見舞われたTeam LeMans Audi R8 LMSはQ1へ出走せず、セッションを終えている。

2021スーパーGT第5戦SUGO K-tunes RC F GT3(新田守男/小高一斗)

■Q1 B組:ノーウエイトで挑むStudie PLUS BMWが唯一の1分17秒台を記録

 続いて14台が出走するQ1 B組のセッションでは、ランキング5番手につけるSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTの吉本大樹が69kgのSWをものともせず、1分18秒146をマークしてトップにおどり出る。

 しかし、セッションも残り2分を切ったところで、ノーウエイトで第5戦に臨むStudie PLUS BMWの荒聖治が1分17秒895と、この週末初の1分17秒台を記録してトップに浮上した。

 その背後からは54kgのSWを積みながら公式練習で最速タイムを記録したSUBARU BRZ R&D SPORTの井口卓人がセクター1〜2と全体ベストをマーク。しかし、最終セクターでわずかに遅れ、荒のタイムに0.2秒届かずの1分18秒086で2番手となった。

 一方、66kgのSWを積む埼玉トヨペットGB GR Supra GTは、Q2進出への望みを繋ぐべく吉田広樹が渾身のアタックを見せるも、カットラインから脱することは叶わずB組12番手でQ1敗退となった。

 Q1を突破したB組の8台は、Studie PLUS BMW、SUBARU BRZ R&D SPORT、SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT、GAINER TANAX with IMPUL GT-R、UPGARAGE NSX GT3、PACIFIC NAC CARGUY Ferrari、リアライズ日産自動車大学校 GT-R、グランシード ランボルギーニ GT3という顔ぶれとなった。

2021スーパーGT第5戦SUGO Studie PLUS BMW(荒聖治/山口智英)

■Q2:新型BRZが2戦連続、今季3度目のポールポジションを獲得

 Q1を突破した16台によるポールポジション争いが繰り広げられるGT300クラスの公式予選Q2は15時23分に開始された。

 残り4分30秒を切ったところで、最初にアタックに入ったSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTの河野駿佑が1分17秒971を記録してトップにおどり出る。しかし、その背後に続いたSUBARU BRZ R&D SPORTの山内英輝が1分17秒479を記録。河野のタイムを0.5秒上回りトップに浮上した。

 終盤にはGT300ルーキーの名取鉄平の乗るUPGARAGE NSX GT3が山内に迫るも記録は1分17秒832と、山内に一歩届かなかったが、自己ベストとなる2番手にポジションを上げた。

 その後も山内のタイムを上回る車両は現れず、SUBARU BRZ R&D SPORTが前戦鈴鹿に続く今季3度目、そして山内英輝にとってはGT300での通算7度目のポールポジションを獲得した。

 2番手にはUPGARAGE NSX GT3(SW9kg)が、3番手にSYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(SW69kg)、4番手にJLOC ランボルギーニ GT3(SW66kg)、5番手にARTA NSX GT3(SW45kg)が続いた。

 一方、ランキングトップで100kgのSWを積むたかのこの湯 GR Supra GTは10番手、ランキング2位でSW81kgを積むリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rは9番手で予選を終えている。

 スーパーGT第5戦『SUGO GT 300km RACE』の決勝レースは、9月12日の13時30分から84周で争われる。激戦の2021年シーズンも後半戦を迎えたなか、GT300クラスの28台は果たしてどのような戦いを繰り広げるのだろうか。

2021スーパーGT第5戦SUGO GT300クラスのポールポジションを獲得した山内英輝と井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)

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