東北を応援した名産品販売拠点、10年の節目で閉店へ 藤沢駅北口、被災したスタッフ「ここにしかないものを見つけてもらった」

店頭で東北地方の名産品をアピールする杉原さん(左)=藤沢市

 東日本大震災の被災地の物産を販売し、現地の中小事業者を支援してきた「東北復興応援プラザ」(藤沢市藤沢)が震災発生から10年の節目をとらえ、9月いっぱいで閉店することになった。

 これまで被災地から藤沢へ転居したスタッフが、東北の魅力を発信してきた。藤沢市民への感謝を込め、14日から感謝セールを行う。

 「10年はとても長い歳月。ただ、私にとってはあっという間だった」。2011年8月、藤沢駅北口の商店街の一角に開設したアンテナショップの時代から携わってきたスタッフの杉原芳枝さんは振り返った。

 福島県出身の杉原さんは震災後、一家6人で同県内の避難所を転々とする中で、藤沢市が被災者に対し住宅と就労の支援していることを知り、同市に転居した。「ここにしかないものを藤沢の人に見つけてもらい、手にとって食べてもらった。被災地の小さな事業者の応援ができたならば、10年間続けたかいがあった」

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