韓国が甘柿も国産化、これまで日本産が9割 「偏重栽培を解消する」自治体

全羅南道の咸平郡(ハンピョン群)は、韓国産の甘柿品種である「ウォンチュ」の初収穫が今月行われると明らかにした。

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咸平郡は13日、昨年から管内20農家・5.0㏊で栽培されてきた国産甘柿品種である「ウォンチュ」が旧正月前に初めて収穫されると伝えた。

韓国で栽培される甘柿は9割が日本産品種とされ、1900年代に日本から導入され栽培されていると推測されている。主要品種は「富有柿」と「次郎柿」だ。

群内の甘柿も80%以上が日本品種に偏っていたことから、同国農村振興庁は数年前からこの問題を解消しようとし、「テチュ」「ウォンチュ」「ロマン」など、様々な韓国産品種の柿の開発を推進してきた。

このうち「ウォンチュ」は「テチュ」と「シンチュ」の交配種で、食感がカリカリして果汁が豊富で、皮が薄いのが特徴である。9月中旬が収穫適期である。

写真:収穫前の「ウォンチュ」/咸平郡庁

咸平郡の関係者は、「ウォンチュは15ブリックスと高い糖度を持ち、果汁は350g前後で、形も良く旧正月の祭壇に上げるに最適」とし、「消費者の良い反応を得ることができると期待される」と述べた。

ナ・ジェヒョク農業技術センター技術普及課長は「品評会などを通じ、国産品種である《ウォンチュ》甘柿の優秀性を知らせる」とし、「また、さまざまな国内産柿の品種を育成し、偏重栽培による需給問題を解消して価格の安定化に貢献したい」と述べた。

韓国では果実や野菜、穀物にいたるまで、日本品種の栽培が多かったが、2019年の日本による対韓国輸出規制(輸出管理強化)などもあり、品種国産化への動きが目立っている。

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