エンゼルス・大谷翔平こそMVP!間違えるなよ! あのニューズウィーク誌が猛プッシュ

メジャーでも別格の存在になった大谷(ロイター=USA TODAY Sports)

エンゼルスの大谷翔平投手(27)は野球の枠を超えた――。米国の老舗雑誌が15日(日本時間16日)に相次いで取り上げた。国際ニュース週刊誌「ニューズウィーク」は注目されているア・リーグのMVPレースに「間違うな、二刀流の大谷翔平は依然としてア・リーグMVP」だと猛プッシュ。また、ニュース雑誌「タイム」は2021年の「世界で最も影響力のある100人」に大谷を「ICONS(象徴)」部門で初選出したと公表した。ベーブ・ルース以降、約1世紀ぶりに出現した二刀流が全米を席けんする。

「ニューズウィーク」誌はア・リーグMVPレースで強烈に大谷を推した。9月に入り、大谷が14日(同15日)時点で33打数6安打、打率1割8分2厘、2本塁打、4打点とスランプ状態であるのに対してライバル、ブルージェイズのウラジーミル・ゲレロ内野手(22)は59打数20安打、打率3割3分9厘、6本塁打、7打点と絶好調。さらに、今季通算打率3割1分5厘、OPS1・011がア・リーグトップ、114得点、171安打、45本塁打はメジャートップ。103打点はメジャー3位で、史上最年少の3冠王の可能性がある。そのため、複数の米メディアで大谷の優勢は変わらないものの、「ゲレロのMVP」の可能性が議論されるようになった。

そんななか「ニューズウィーク」誌は「間違うな、二刀流の大谷翔平は依然としてア・リーグMVPだ」との見出しともに、「2021年ア・リーグMVPの議論を続ける理由がない。これ以上複雑にする必要もなければ、シーズン終盤の追い上げが影響するかも考える必要はない。大谷翔平がMVPだ」と断言した。

「例年ならゲレロがMVPを取るには十分な内容だろう。しかし、2021年は普通の年ではない上に、大谷の価値は正直計算できないところにあるのだ」と、野球内外での大谷の活躍を挙げ、「大谷は今後、二度とまねできないかもしれないシーズンを送っており、野球ファンは今のうちに存分に味わっておくべきなのだ」とした。野球に興味がないビジネスマンにも大谷の価値は伝わるだろう。

一方、「タイム」誌は21年の「世界で最も影響力のある100人」に「ICONS」部門でテニスの大坂なおみ(23)らとともに選出した。14度のオールスター選出を誇るヤンキースなどで活躍したアレックス・ロドリゲス氏(46)が推薦。「(通算264本塁打の)ブライス・ハーパーのような強打、(サイ・ヤング賞3度の)マックス・シャーザーのような投球、(今季28盗塁の)トレー・ターナーのようなスピードを持っている」と激賞。「彼はフィールドで素晴らしいだけではなく、フィールド外でも紳士だ」と人柄も評価した。

エンゼルス広報のツイッターによるとメジャーリーガーが選ばれるのは2年連続19勝を挙げた07年のヤンキースの王建民、以来2人目だ。マリナーズのイチローは08年にファイナリストになったが、選ばれなかったという。メジャーの枠を超えた大谷。全米を熱狂させるスーパースターへの道を駆け上がる。

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