のこぎりで83歳夫殺害、76歳妻に懲役8年 横浜地裁判決「夫への嫌悪や恨み、強固な殺意」

 神奈川県茅ケ崎市の自宅で83歳の夫をのこぎりで切り付けて殺害したとして、殺人罪に問われた無職の妻(76)の裁判員裁判で、横浜地裁(景山太郎裁判長)は17日、懲役8年(求刑懲役12年)の判決を言い渡した。

 景山裁判長は判決理由で、夫が長期にわたり不衛生な引きこもりの生活を続けていたと指摘。「犯行後にノートに『殺せた。バンザイ』と書き込むなど、夫への嫌悪や恨みを募らせており、強固な殺意があったのは明らか」と非難した。公判で被告が机をたたくなどの言動をしたことにも言及し「罪に真摯(しんし)に向き合う態度はうかがえない」と指摘した。

 一方で「悪臭に耐えながら、夫に食事を運ぶなどしていた」として情状酌量した。

 判決によると、被告は3月5日、自宅で夫の首をのこぎり(刃渡り約25センチ)で切り付けるなどして殺害した。

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