【高校発みやざきSDGs】ー29ー小林(下) 地域発展の道を模索

「バーチャル市役所」で地域の魅力や課題について語る小林市職員

 昨年度から普通科探究科学コースの取り組みを生かし、普通コース・体育コースの生徒たちも「ミラソウ(未来創造の時間)」という探究的な学びを始めた。1年生は入学直後に「バーチャル市役所」という活動を行っている。小林市農業振興課などの職員の方にお越しいただき、地域の魅力や課題について語ってもらい、地域発展の道を模索する活動である。

 また、小林の歴史・文化・産業の魅力を再認識することを目的とした「地域巡検」も実施。2年生は1年次の学習内容を踏まえ「SDGs研究」を行う。生徒たちはコースの枠を超えてグループを作り、SDGsの17の目標と絡めて小林の課題解決のための活動をしていく。

 その活動の中で、二見そよかさん(普通科2年)のグループは、小林の魅力ある農産物の認知度を上げるための取り組みを始めた。市役所やJAこばやしと連携し、若者向けのレシピ動画の作成を計画。インターネットを使った発信方法により小林に新たな価値を生み出そうと奔走している。生徒たちはコースの垣根を越え、小林市をより魅力的な街となるよう協働的な学びの中でアイデアを出し、できることを模索している。

 多様化・複雑化する現代社会において、SDGsの学習をきっかけとして、主体性を持って学びに向かい、さまざまな人と関わり、よりよい社会を創(つく)りあげていく楽しさを感じることができる活動の場をさらに広げていきたい。(教諭・奥村紳太郎)

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