【高校発みやざきSDGs】ー28ー小林(上) 地域と連携 課題探究

高原町の皇子原公園で行った木の遊具の製作

 本校の普通科探究科学コースは設置8年目となり、当初から「探究活動」に取り組んできた。この活動は大学・企業・地域と連携して、身近な問題を考える学びの時間として設定されている。昨年度から1年次の学習を「SDGs研究」、2年次の学習を「課題研究」として探究的な学びを継続して深めてきた。

 久留木彩美さん(2年)のグループは、地域の農業従事者が減少している問題に着目し、小林の豊かな自然資源を生かして地域経済を盛り上げたいと考えた。そこで「小林まちづくり株式会社」と連携し、将来の小林の担い手となる中学生向けに農家民泊体験の企画を立案。残念ながらコロナ禍で企画の実行には至らなかったが、そこで得たノウハウを生かし、今でも地域経済の活性化のために活動している。

 さらに、3年生は高原町の地域活性化に取り組み、地元の子どもたちと皇子原公園内の木製の遊具作りや地元産品を利用した料理コンテストなどを行った。本年度も高原町と連携して活動を進めている。同町産業創生課の德井美由希さんも「地域全体の活性化に向け、持続可能性に配慮した生徒たちの未来を見据えた発想に感銘を受けた」と、この探究的な学びに可能性を感じている。

 SDGsという観点で身近にある課題を「自分事」として捉えていくことで、広い視野を持つ、地域のリーダーとなるような人材に育っていくことを願っている。(教諭・塚田一久)

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