佐世保 営業時短解除 喜びの一方、コロナ再拡大に不安

感染対策が徹底された店内で、酒や料理を楽しむ客=25日午後7時19分、佐世保市の中尾葡萄

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い長崎県佐世保市に発令されていた県独自の緊急事態宣言と飲食店などへの営業時間短縮要請が24日までで解除された。同市内の居酒屋やバーの関係者は喜ぶ一方、「人が動くことで、また感染が広がるのでは」と不安の声も聞かれた。
 25日午後7時ごろ、同市上京町の居酒屋「中尾葡萄」。飛沫(ひまつ)防止の仕切り板が設置されたカウンターで、客が酒や料理を楽しんでいた。同市で時短要請が解除されたのは1カ月半ぶり。ある男性客(30)は「あまり頻繁に飲みに出るのはよくないと思うけど、たまには行きたい」と笑顔でグラスを傾けた。
 同店は感染防止対策を徹底し、県の第三者認証制度の認証を受けた。時短要請中の営業は原則午後8時までだが、認証店のため同9時まで可能に。それでも夜の売り上げはコロナ前の半分に落ち込んだ。代表の西頭翔太郎さん(39)は「(解除は)うれしいけど、10~11月で(感染者が)増えないか不安。忘年会シーズンに稼げないときつい」と複雑な胸中を明かした。
 同市山県町のバー「ウロボロス」のオーナーで、佐世保観光料飲組合の常務理事を務める牛島俊治さん(51)は、「蓄えを切り崩しながら経営している店が多く、廃業した店舗もいくつもある」と窮状を訴える。その上で「時短や休業要請といった同じことの繰り返しではなく、別の感染対策、経済対策も考えてほしい」と求めた。

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