巨人 自力V消滅でもまだ残す “勝算” カギは首位ヤクルト戦「残り5試合、神宮球場」

巨人・原監督の目はまだまだV3を見据えている(東スポWeb)

巨人が26日の阪神戦(東京ドーム)に3―4で惜敗し、自力優勝の可能性が消滅した。勝負の9月は6勝11敗5分けとなり、負け越しも決定。逆転でのリーグV3を目指す巨人にとって苦しい戦いが続くが、カギを握りそうなのがヤクルトの本拠地・神宮球場だという。どういうことなのか。

あと一歩及ばなかった。最大4点差から松原の11号ソロなどで3点を返し、1点差まで詰め寄った巨人に虎守護神・スアレスが立ちふさがった。9回二死走者なしで最後の打者・若林が左邪飛に倒れると、東京ドームはため息に包まれた。

逆転V3に向けて最低でも勝ち越したかった本拠地3連戦で、まさかの2敗1分け。原監督は自力V消滅を「そうですか」と冷静に受け止めると「そこは僕らはね、まあ、コメントを考えることもしないしね。別に心構えとしては、まったく変わらない状態で明後日からも戦うというところですね」と淡々と答えた。

とはいえチームに明るい兆しは見えてこない。8月末から先発陣は中5日、中4日での登板が続いている。この日、14年ぶりの中4日登板となった山口が制球に苦しみ3回途中70球で降板。さらにフォローする中継ぎ陣の疲労も日ごとに増してきている。

攻撃陣に目を向ければ不振に陥っていた丸に3戦連続安打と当たりが戻ってきたものの、25日には虎の2年目左腕・高橋の前に完封負け。チームは波に乗り切れない。

そんな投打ともに精彩を欠く巨人にとって、数少ないプラス材料が首位・ヤクルトの本拠地・神宮球場との好相性だという。

今年の巨人は神宮では「水を得た魚」状態。7戦でチーム打率3割2分4厘、17本塁打、防御率3・19と投打とも好成績。ヤクルト戦は5戦全勝、DeNA主催の2戦で1勝1敗と計6勝1敗の高勝率を誇っている。

以前は「鬼門」と言われたこともある神宮で、いったい何が変わったのか。「今年から神宮のマウンドが硬くなったことでウチの投手陣にアジャストした。むしろヤクルト投手陣の方がマウンドに合ってなかった」と球団関係者はニンマリ。オフに赤土から粘土質の土へと入れ替えを行い、マウンドも東京ドーム同様、メジャー仕様に変わったことが巨人に有利に働いたという。

実際、ヤクルト戦は5試合で43得点と1試合平均8・6得点を叩き出している。今季のヤクルト戦は残り6戦中5戦が神宮での試合となっており、ここでの結果が、巨人が優勝できるかどうかの分かれ目となりそうだ。

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