韓国経済紙「米の情報要求...韓国半導体には致命打になる」「どのみち戦時法で直接統制される」

韓国メディアが、米政府によるサムスンなどへの情報開示要求が「企業には致命的」になる可能性があると分析している。

参考記事:韓国紙「米政府がサムスンに機密公開を迫る」「戦略が露出…企業には耐え難い状況」

毎日経済新聞は26日、『サムスン電子はどうすれば…ホワイトハウス、大統領府も知らないサムスン半導体の機密も要求した』という独自ニュースを掲載し、米政府の要求範囲が企業の機密を裸にするものであり、リスクが高いとの見方を示している。

23日(現地時間)、米政府はホワイトハウスで今年三回目となる半導体対策会議が開き、サムスンをはじめとする半導体企業を招集し、半導体の在庫・発注・販売などに関する内部情報を45日以内に提出するよう要請した。

同紙は、「半導体メーカーを対象に、半導体在庫と販売情報を出せと要求したジョー・バイデン米政府の《脅し》が単純な脅しに留まらない兆しが見えている」とし、「米国が11月8日までの回答を求めた企業向け設問には在庫・販売に加え、主要顧客の死別売上情報、生産戦略、今後の工場増設計画まであることが確認された」と報じた。

同紙は、米政府に要求に従って提出された情報が米競合他社に流出する場合、「国内(韓国)半導体業界には致命打になり得る」とし、しかし「情報を出さなければ、国防物資生産法(DPA=米国の戦時法)によって直接統制するというバイデン政権の圧迫のせいで韓国の半導体メーカーは、ジレンマに直面している」と分析している。

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米国商務省が24日(現地時間)明らかにした半導体サプライチェーン調査には、最近3年分の売上高、製品別の売上高と原材料・機器の購入や半導体企業の生産製品別の3大顧客と顧客の四半期別予想売上規模・今後6ヶ月間の購入予定数量、購入契約期間など詳細におよぶ。

毎日経済新聞は、「顧客の名前と、それぞれの売上高は、企業からは絶対公開しない極秘情報だ」と指摘。理由として「今後の取引価格の交渉と新規顧客の獲得に支障を与え、競合他社に強みと弱みがそのまま露出されるからである」と説明した。米政府は、台湾TSMCなどサムスン以外の半導体企業にも情報提供を要請している。

一方で、今回の調査への協力を、米国が各社による米投資を優遇するかどうかの「踏み絵」にするとの見方も同紙は示している。すでにテキサス州オースティンに半導体工場を持つサムスン電子は、約2兆円規模とされる追加での工場増設を米で検討中だ。同じく韓国のSKハイニクスもシリコンバレーの研究開発(R&D)センターに10億ドルを投資すると、最近発表した。

この報道をみた韓国のネットユーザーからは、

「米国も友邦ではない。自国優先主義でみんな同じだ。信じられる国はない・・・」

「政府は何をやっているんだ?…知らぬ顔か?…」

「米国はやり過ぎではないか?企業の極秘事項まで出せとは、強盗と変わらぬ行為じゃないか」

「…サムスン電子は嘘の情報を米国に伝えれば良い。それが正しいかどうかはサムスンしか知らないんだから」

「トランプより酷いな」

「我が政府はこんな不当な要求になぜ見ているだけなのか」

などのコメントがネット掲示板に投稿されている。

参考記事:韓国経済紙「日本は米に《半導体主権》奪われ辺境に」「韓国は同じ轍を踏むな」

参考記事:韓国通商大使「日本の輸出規制は国際信頼を阻害…多くの国が共感」「TPPは日本主導ではない」

参考記事:韓国紙「ロケット開発で韓国は米から屈辱的制限」「能力向上を再三求めるも却下」

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