韓国有力紙「サムスンがQDディスプレイを11月から量産」「パネル素材や部品を発注」

サムスンディスプレイが今年11月からQDディスプレイを量産するとの報道が韓国で出ている。

参考記事:韓国紙「米政府がサムスンに機密公開を迫る」「戦略が露出…企業には耐え難い状況」

韓国の有力テック紙である「ETNEWS」は27日、上記のように報じ、すでに同社が「パネルに入る素材・部品を発注したことが確認された」と27日に報じた。

同紙によると、業界関係者は27日、「11月に量産が確定して、これに合わせて素材の生産が始まった」と述べたという。また、複数の業界関係者は「サムスン電子の来年TVラインナップにQDディスプレイが採用された」と同紙に伝えたという。

(画像:昨年7月に韓国牙山事業所で行われたサムスンディスプレイによるQD設備搬入式様子=サムスンディスプレイ社提供)

ETNEWSによる、サムスンディスプレイのQDディスプレイは、親会社であるサムスン電子の他に、日本のソニーにも供給し、ソニーが製品化すると伝えている。同紙は、「サムスンとソニーは、世界3大TVメーカーだ」とし、「 QDディスプレイがサムスン電子とソニーの新製品に適用されるのは、それだけディスプレイの性能が認められたという意味だ」と指摘している。

QDディスプレイは、サムスンがLGのOLED TV(有機ELテレビ)に対抗して開発してきた次世代ディスプレイであり、昨年には開発の本格化が各紙で報じられたものの、今年に入り、量産に難航しているとの指摘が度々伝えられていた。そのため、一部メディアでは、サムスンがこれを断念したとも報じたが、ETNEWSの今回報道が事実であれば、量産体制が整ったことを意味する。

ただし、ETNEWSは別の記事で、サムスンのQDディスプレイが「年間100万台レベル」であると指摘しており、「100万台は年間2億台が販売される世界TV市場の0.5%に過ぎない数値だ」とし、すぐには市場影響力が伴わないだろうと分析している。

参考記事:韓国LGがJR東日本に「透明有機EL」を供給、車窓に情報が浮かぶ…韓国紙がスクープ

参考記事:サムスン「Galaxy S20 Ultra」が韓国で4万円以下に カメラ1億画素&100倍ズームのプレミアムフォン

参考記事:韓国LGの「有機EL TV」出荷量が急増 液晶の4倍価格でも人気 ソニーやシャープにもパネル供給

© 合同会社WTS研究所