逆転Vへ追い風だ! オリックスの“苦労人”山崎颯がうれしいプロ初勝利

プロ初勝利を挙げウイニングボールを手にする山崎颯

苦労人の白星でチームの流れは一気に加速か。オリックスのプロ5年目右腕・山崎颯一郎(23)が29日のロッテ戦(ZOZOマリン)に先発し、5回2/3を4安打2失点で、うれしいプロ初勝利を飾った。

「序盤に2点失って、すごく苦しい展開だったんですけど、先輩たちが打って守ってくれて。すごく頼もしい勝ちです。感謝でいっぱいです」。試合後はプロ初勝利に満面の笑みがこぼれたが、ここまでの道のりは苦悩の連続だった。

高校野球の名門である福井・敦賀気比からドラフト6位でオリックスに入団もプロ入り2年間は結果が残せず一軍登板すらなかった。しかも2019年には右肘内側側副靭帯再建術(トミー・ジョン手術)を受け、同年末には育成選手に降格。3桁の背番号「135」となり、キャッチボールすらできない苦悩の日々が続いたが、黙々とリハビリを敢行。同時にこの時期に体力強化も図ったという。

その努力が実り、今年5月のソフトバンク戦でようやくプロ初登板。チーム先発陣が手薄になったシーズン後半戦からはローテーションの谷間投手として実戦を積み重ね、この日の初勝利にこぎつけた。

そんな苦労を知ってか、高校の先輩で同僚の吉田正も「何とか勝ちをつけられるように」と奮起。この日3打数3安打2打点(1本塁打)の活躍で後輩の白星に花を添えた。山崎颯の好投がチーム全体の勢いを一気に加速させたことは間違いない。

これで首位ロッテとはついに1ゲーム差。逆転Vへのお膳立ては整いつつある。「こういうチーム状況の中で投げられているのはすごく幸せだと思っているので。そっからまたもっとレベルアップしていきたいです」と山崎颯。この1勝を機に逆転優勝とさらなる高みを目指す。

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