「ここまできたら全部勝ちたい」 J1川崎・宮城、どん欲に

FC東京との「多摩川クラシコ」で活躍を誓うJ1川崎の宮城

 J1連覇を狙う川崎のFW宮城天(20)が30日、練習後のオンライン取材に応じ、「優勝が近づくにつれて点を取ることで注目され、自分の価値も上がる。今は得点を取ることしか考えていない」と貪欲な姿勢を強調した。

 22日の鹿島戦では試合終了間際に自身のJ1初得点となる劇的な決勝弾。チームはここから3試合連続で逆転勝利と終盤戦に向けて勢いを加速させる価値ある一発になった。

 ただ、得点シーン以外では見せ場をつくれず、「ユニホームを脱いで走り回ろうと思っていた」と試合前からイメージしていたゴールパフォーマンスは封印。仲間から手荒い祝福を受け、「初ゴールだったので(映像で)何回見てもうれしいですね」と照れくさそうに笑った。

 小学生時代から川崎の育成組織で力を磨き、積極的な仕掛けとパンチ力のあるシュートが持ち味だ。東京五輪代表の三笘が抜けた左サイドで徐々に存在感を見せているが、定位置確保には攻守両面で課題も多い。

 宮城自身は「スタメンで出た時にゴールまで仕掛けたり、シュートでまでもっていく回数を倍ぐらいに増やさないといけない」と話し、鬼木監督は「昨日(29日の神戸戦)も最後守備に戻りきれなかった場面があった。チームとしてやるべきことがまだできていないところも多い」とさらなる成長に期待する。

 一時勝ち点1差まで迫られていた2位横浜Mとは現在暫定で12差。リーグ連覇をはっきりと射程に捉え、10月2日にはリーグ5連戦の締めくくりとなるFC東京戦(午後5時・等々力)を迎える。アカデミー育ちの期待の星は「疲れはあるけれど、ここまできたら全部勝ちたい。引き分けも許されないぐらいの気持ちでやる」と強い負けん気をのぞかせた。

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