なぜバルセロナは不振に?クーマン監督が犯した7つの大罪

 ロナルド・クーマン監督のバルセロナでの将来は、刻一刻と終わりに近づいている。UEFAチャンピオンズリーグでベンフィカに3発完敗を喫したことで、解任報道が現実味を帯びてきた。様々な理由で批判されてきたクーマン監督だが、崖っぷちに立たされた決定的な7つの原因は無視できない。

ベンフィカ戦完敗でクーマン監督 選手への信頼強調も「受け入れられない結果」

1.選手を公に批判
 クーマンは今夏にチーム弱体化を公に発言し、ベテラン選手よりも若手の方が熱心に取り組んでいると主張。CLベンフィカ戦でも集中力を欠いた選手を非難し、「選手にもっと要求しなければならない。相手を簡単に進入させてはいけないんだ。今のバルサは8年前のチームではない」と語った。

2.システム変更とクラブの哲学に反した戦術
 4-3-3はクーマンにとって不動のシステムではなく、4-2-3-1や5人の選手を使った守備陣形の構築をしばしば実施する。特にグラナダ戦では54本ものクロスを上げ、ここでも「ティキタカを施行するための選手がいない」とまたしても選手を非難した。

3.ラポルタ会長との関係の欠如
 就任当初から会長と監督の間には難しい関係があることは明白だった。ラポルタは会長選挙の中でクーマンの適正に疑問を呈し、夏には後任を検討している伝えた事で問題が深刻化。今シーズンの不安定なスタートに、少なくない影響を与えた。

4.クーマンの敗北主義
 監督は現実的な野望をファンと約束するものだが、クーマンの慎重な目標設定は、役員や選手からの評価を非常に低くしている。「CLで奇跡を期待することはできないが、リーグで上位を維持できれば成功だろう」では、選手を奮い立たせるのは難しい。

5.クラブマンとしての自覚
 クーマンはクラブの悲惨的な経済状況による制約を受け入れ、選手の売却を容認し獲得するにしてもフリーランスでなければならなかった。メッシ、グリーズマン、エメルソンが退団し、チームが限りなく弱体化したにも拘らず大人しく受け入れた。

6.妨害に屈しなかった
 ラポルタ会長をはじめとする一部の人々から圧力を受けても、クーマンは毅然とした態度を貫いた。ウンティティやリキ・プッチよりも出場に相応しい選手がいると信じて疑わなかった。

7.失敗したギャンブル
 ルーク・デヨングの獲得はクーマンの賭けであったが、このオランダ人FWは期待された水準のパフォーマンスを見せていない。デヨングを自信を持たせようとしているものの、試合中の戦術的な判断も疑問が残るところがある。

クーマンが犯した7つの大罪 Photo Gualter Fatia

© 株式会社SPOTV JAPAN