韓国紙「米中対立は勝者側に付くべき」「強固な技術持つ日本と協力...戦略的選択を」

韓国紙が、米中対立は韓国経済にとって重要な機会になるとし、戦略的に動くためには日本との協力が必要であると説いている。

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韓国経済新聞は7日、アン・セヨン西江大学名誉教授のコラム『米中覇権戦争、勝者側に付かなければならない』を掲載した。

アン教授は、「歴史を振り返って見ると、超大国間の覇権戦争は韓国のような《ミドルパワー》国家には危機であり、チャンスになることもある」とし、「その良い例が、1980年代の日米貿易戦争だ」と指摘した。

当時、「押し寄せる日本の商品に危機意識を感じた米国は、日本を恐ろしく殴りつけた」とし、日本の優れた自動車がまずターゲットになり、次にカラーTVへの「反ダンピング爆弾」が落とされ、半導体への圧力が決定だとなったとアン教授は説明する。

アン教授は、米国の日本への当時圧力は、韓国は逆に反射利益をもたらしたとし、韓国車「ポニー」が1986年に初めて米国に輸出され初年30万台を販売したことや、日本のTVの代わりにメイドインコリアのTVが米国市場を席巻したこと。そして、米国が「日本の半導体をほぼ焦土化させてしまった」ことで、「後発走者として苦戦したサムスン電子が起死回生し、今日、韓国が半導体大国になれた」と伝えた。

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一方で、アン教授は、現在の米中対立が過去の日米貿易戦争と比べ「紛争の幅と深さが全く異なる」とし、過去の日米貿易戦争が純粋な経済戦争だったことに対し、今の米中対立は「技術戦争、サプライチェーンの覇権闘争、軍事的競争の様相を呈している」と指摘した。

アン教授は、日本は「パックスアメリカーナ」に挑戦したわけではないが、中国はそうではないとしと指摘。しかし「米国の反撃は非常に決定的である」とし、「貿易、投資、技術分野で全方位のデカップリングを進め、中国経済を支えている柱を完全抜いてしまうというものである」と分析した。

アン教授は、日米貿易戦争の頃は、韓国は傍観者であっても利益を得られたが、日豪印などが対中戦線に加わるなか、今は「過去とは異なり戦略的選択をしなければならない」とし、「最も重要な選択は、米中覇権戦争の流れをよく読んで、勝者の側に立つことである」と主張した。その上で、豪州は米国を勝つと確信し旗幟を鮮明にしたと伝えた。

中国に関しては、かつては覇権を握る勢いだったが、今はその勢いがピークに達したとの見方をアン教授はとっており、豪州への輸入制裁が石炭不足というブーメランとして跳ね返り電力不足に外資の脱出が続くことや、内需を支えた不動産経済も恒大集団の破綻で限界に達したと見立てた。

アン教授は、「今残された課題は、これまで遠ざかっていた日本との産業協力である」とし、「いまだ日本は韓国の業界に必要な強固な基盤技術と優れた部品・素材産業を持つ国だ」と指摘した。その上で、「幸いなことに、韓国をよく知る岸田文雄首相の就任を契機にねじれた韓日関係の転換点を用意する必要がある」とし、対韓国核心材料の輸出規制の解除や企業間の協力を拡大すべきであると言及した。

この報道をみた韓国のネットユーザーからは、

「…理念でみても、力の論理でみても、歴史的事実からみても、米国は勝者であり勝者側に立つのが答えだ。血盟と友邦を捨て中国に付いたところで返ってくるのは不意打ちのみ」

「…当然ながら米国と手を結んで進むべきで、韓半島の統一まで見こさないと」

「我々は米国の後ろに付くだけでも棚ぼた…政権交代が答えだ」

などのコメントがネット掲示板に投稿されている

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