【新型コロナ】神奈川で進む、コロナ飲み薬の治験 塩野義「年内実用化」へ課題は

新型コロナウイルスの治療薬について塩野義製薬の手代木社長から説明を受ける岸田首相(右)=10日午前、横浜市港北区(代表撮影)

 新型コロナウイルスの重症化を防ぐ飲み薬タイプの治療薬の臨床試験(治験)が、神奈川県内の宿泊療養施設で実施されている。岸田文雄首相は所信表明演説で、「経口治療薬の年内実用化を目指す」と掲げた。ただ、感染状況の改善によって、治験参加者の確保が課題になっている。

 「これからのコロナ対策の大きな決め手になる取り組みだ」

 10日、横浜市港北区の宿泊療養施設を視察した岸田首相は、記者団にこう述べた。首相就任後、初めての来県でこの施設を視察したのは、塩野義製薬が開発を進める飲み薬タイプのコロナ治療薬の治験が、全国に先駆けて実施されているからだ。

 視察では、同社の手代木功社長が国内で約2千人を対象にデータを集めたい考えを示し、「何とか年内にお届けできるようにしたい」と語った。

 首相は患者から治験参加への同意を得る手続きや治験の様子について説明を受け、「年内(の承認申請)に向けて努力を続けるということなので、期待したい」と歓迎した。

© 株式会社神奈川新聞社