平戸市長選で4選果たす 黒田成彦氏(61)に聞く 平戸らしさ、魅力を発信

平戸市長選で4選を果たした黒田成彦氏=平戸市崎方町

 〈任期満了に伴う17日投開票の平戸市長選で4選を果たした。今後の課題、抱負などを聞いた〉

 -12年ぶりの選挙だった。
 多少の不安はあった。後援会組織が強固で、有意義な運動が展開でき、手応えを感じられた。新型コロナウイルスの影響で、市民と出会う機会がない中、これまでの施策、企業誘致実現などに一定の評価を受けられたのではないか。市民からの票に、本当に感謝している。

 -市民の意見が市政に届いていないという声がある。
 就任以来、市政懇談会やボランティアグループとの昼食懇談、全中学校で給食を一緒に食べ、対話する訪問活動を続けてきたが、コロナ禍で全てできなかった。これまでの取り組みには触れずに今、市民の声が届いていないと言われると、痛い。新人候補の意見には理解できるところはある。市民の声から遠ざかっていたと反省している。

 -4期目の課題は。
 季節ごと、年間約40回あったイベントができなかった。コロナ禍の収束が見えてきた。新しい生活様式、県が進める認証などを取り入れ、できる限り平戸らしい、楽しくエキサイティングな魅力を発信できるプロジェクトを取り戻したい。
 市内全域でまちづくり(運営)協議会設立が完了した。協議会の活動から支え合うまちづくりができれば、人口減少や高齢化が進んでも豊かな社会が実現できると思う。

 -新型コロナ対策は。
 (影響を受けた)関連事業者への国の支援がしっかりしていた。平戸でも同じリズムで困っている人に向き合う。

 -「城泊」事業について。
 (国から提案を受けた)国家プロジェクト。本来なら多くの宿泊客が入っていた。コロナ禍でそうはならず、市民の疑念につながったかもしれない。理解をしてもらえるよう施策を進めたい。

 -その他、4期目の重点施策は。
 2022年、鹿児島で開催される全国和牛能力共進会県代表牛が平戸から選ばれ、大会で好成績を収めるよう、県北地域和牛改良推進協議会長の立場で努める。24年は平戸で生まれた台湾の英雄・鄭成功の生誕400年。訪日外国人客受け入れ、中国、台湾との交流拡大につなげたい。

 -最近、うれしかったことは。
 家族でこの選挙戦に取り組めたこと。子どもたちが「多くの人たちに支えられて、父は恵まれている」と言ってくれたことは素直に喜びたい。

 【略歴】くろだ・なるひこ 麗澤大卒。衆院議員時代の金子原二郎氏(現参院議員、農林水産相)の秘書、県議を経て、2009年から現職。趣味は読書。「サスペンス作品で、描いた前提を崩されると脳内がリフレッシュする」

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