コロナ収束、にぎわい復活「納め包丁」で祈願 伊勢原・大山阿夫利神社 神奈川

水産関係者から「納め包丁」で奉納された包丁=大山阿夫利神社下社

 小田原や伊勢原、秦野などの水産業関係者が20日、不要になった刃物を奉納する「納め包丁」を伊勢原市大山の大山阿夫利神社下社で行った。出席者は江戸時代の庶民が納めていた木製の太刀に代わり包丁を納め、新型コロナウイルスの収束と、にぎわいの復活などを祈願した。

 相模湾からもよく見える大山は、漁師にとって位置関係を知る上で重要な役割を果たしていたことから、海の守り神や大漁の神として漁業関係者からも信仰を集めてきた。

 この日同社を訪れたのは鮮魚店や仲買人などでつくる「小田原魚市場買受人組合」の11人。祭壇には刃が欠けたりさびたりして不要となった約100本の包丁のほか、相模湾で取れたタチウオやカンパチ、タイなどが並べられた。神職は包丁の供養のほか、商売繁盛や新型コロナ収束などを祈願した。

 小田原駅前の鮮魚商「魚国商店」古川孝昭社長(68)は「魚と包丁に対して感謝の気持ちを込めた。コロナ禍で観光や飲食に影響が出て、価格も下がり苦しい状況が続いている。早期収束し、にぎわいの復活をお願いした」と話した。奉納された包丁は、リサイクルされる予定という。

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