鳥インフル「最大警戒を」 渡りシーズン控え 長崎県が防疫対策会議

 渡り鳥の本格シーズンを前に、鳥インフルエンザの防疫対策会議が2日、長崎県庁で開かれた。本年度、国内発生はまだ確認されていないが、海外では流行しているとし、県は「発生リスクが極めて高く、最大の警戒が必要」と呼び掛けた。
 県によると、昨年度は18県52事例が発生し、鶏などの殺処分数は過去最多となる約987万羽に上った。昨年度は、前年に欧州で流行したウイルスが東アジアへ渡り、その後、日本へ侵入したとされる。本年度も春にロシアや中国で発生が確認されており、昨年度同様の傾向がみられるという。
 会議は養鶏関連の団体・企業の関係者ら約40人が出席。県が今月中旬までに県内全128戸の家禽(かきん)農場に対し、家禽舎に出入りする際の手指消毒など「重点7項目」の順守状況を確認することなどを報告。綾香直芳県農林部長はあいさつで「防疫対策に万全を期し、万が一発生した場合も初動防疫が大事になるため、緊張感を持って対応していただきたい」と述べた。
 県は県民に対し「同じ場所でたくさんの野鳥が死亡している場合は県庁や市役所、町役場などへ連絡を」「死んだ野鳥などを片づける際は素手で触らない」などと注意喚起している。

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