車出しを「しない」「できない」で生まれる不公平 野球ママの“ストレス”解消法は?

「野球ママのReality」第3回のテーマは「保護者間の不平等感」【写真:Getty Images】

チームや保護者の悩み「車出し問題」、解決方法はあるのか

お母さんたちの悩みを少しでも和らげたいと開始した連載「野球ママのReality」。第3回のテーマは「保護者間の不平等感」。野球チームに所属する息子2人をサポートしてきた“野球ママ”の玲奈さんは「車出し」の問題は多くのチームに共通する課題となっていると明かす。玲奈さんもストレスを感じていたが、車出しを拒む人への対応、不平等感の解消法を見つけ、気持ちが楽になったという。

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最初は抵抗があったチームのサポートですが、今は前向きに楽しみを感じながらやっています。周りには積極的な保護者も多いです。ただ、私も含めて不公平感を抱く時はあります。

例えば「車出し」です。練習場や遠征先の駐車スペースが限られていたり、自分の子どもを送迎できない保護者がいたりすると、チームメートを何人か自分の車に乗せます。私の息子が所属していたチームでは、予定を調整し、順番に車を出せるようにするのですが、保護者の中には車出しを断ったにもかかわらず、家族で車に乗って応援に来る人がいます。チームの子たちを乗せる送迎はしたくないけど、応援には行きたいからという理由です。

兄弟がいたりすると、仕方がない部分はあります。下の子を連れて、家族でお兄ちゃんの野球応援にいく。家に置いておくわけにもいかないので、連れて行って、近くの空いているスペースで遊ばせてあげるということもあります。

でも、保護者の中たちはそれが受け入れられない人もいます。なんとなく、ザワザワします。一方で車出しを断ることに抵抗がない人もいます。そういう場合は「あの人は仕方ないね」とあきらめています。言っても分かってくれませんし、感覚や価値観の違いなので理解してもらうのは難しいと思います。

車出しはどのチームにも共通の問題で、チームの選手や関係者を乗せてくれた場合は、1回あたり何百円を渡しているところもあります。ガソリン代もかかるので、納得できる解決策ではありますよね。私たちのチームでも何度もそういう話は出ましたが、年配の方々が「うちのチームは車を出せる人が出すやり方でやっていきたい」ということで採用されませんでした。

車出しNGの人だって、“得意分野”はある、良いところを見るようにした

でも、配車を拒む人も得意分野、好きな分野があって、チームの手伝いをしてくれることがあるんです。例えば、私の周りには車出しはしたくないけど、子どもたちの卒業DVDをつくると言ってきた人がいました。どんな方でも比較的得意な分野があると思うので、うまく役割分担できるとストレスが少なくて済みます。

どのチームも100%平等で、不満が出ないということはないと思います。不公平感があっても、私はお母さん同士で飲みに行ったり、しゃべったりしてすっきりさせています。共感するところはある。野球ママだからこそ共感できることがありますし、大変だからこそ協力して頑張ろうと結束が生まれます。チーム内にが必ず、何人かは気の合うお母さんがいるので、そういう人たちとおしゃべりをして不満を解消するのはおすすめです。あとは、息子の活躍やチームの成長を見ればうれしくて、保護者同士の問題は忘れてしまいます。

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