【セCS】“さぶい”打線だった阪神 伊勢孝夫氏は主砲・大山外した矢野采配を疑問視

阪神・矢野監督(右)は後がなくなってしまった(東スポWeb)

セ・リーグのCSファーストステージ第1戦は6日、甲子園球場で行われ、レギュラーシーズン3位の巨人が4―0で2位・阪神を下し、ファイナルステージ進出に王手をかけた。巨人はエースの菅野智之(32)が7回2安打無失点と好投。打線もレギュラーシーズンで計16回無失点、24奪三振と圧倒されていた高橋遥人(25)から6回までに3点を奪って攻略した。勝敗を分けた理由は何だったのか? 本紙評論家の伊勢孝夫氏は主将で4番を務めてきた大山悠輔内野手(26)をスタメンから外した阪神・矢野燿大監督(52)の用兵、采配に疑問を呈した。

【新IDアナライザー】阪神打線は迫力不足だった。なぜ大山を外したのかが分からない。木浪の状態がいいといっても、相手に与えるプレッシャーはまるで違う。阪神は〝さぶい〟打線だった。大山は9回に代打でいい打撃をしたが、あそこで1点でも取っておけば2戦目につながったのだろうが…。

確かに菅野攻略は難しかった。球種が多く、どんな球でもカウントを稼げる。しかし、十分に攻略法を練る時間はあったはずだが、センター返しや徹底した逆方向狙いのようなチーム一丸となった狙いが伝わってこなかった。それに4回二死から近本が3ボールのカウントでヒッティングに出て中飛に倒れている。あれはない。1球待っても2球待っても菅野の配球は変わらない。四球を選んで盗塁し、マルテを迎えたほうが好機は広がっていたかもしれない。

一方で巨人はレギュラーシーズンで計16回無失点、24奪三振と圧倒された高橋の内側に入ってくる球に苦しんだが、試合中盤から逆方向に打ち出した。5回の中島、吉川も外角球をうまく逆に運び、6回のウィーラーにもセンター返しだ。巨人のほうが高橋攻略に徹底した部分があったし、若いカウントから積極的だった。

菅野にとってあの打線は楽だったと思う。互角に戦える打者はいなかった。巨人も岡本和が抜けてどっこいどっこいだったかもしれないが、周りの役者が違った。

阪神は後がない。2戦目は大山が出るだろう。近本を1番に戻して3番に糸原、4番はマルテで5番が大山だ。それに島田あたりでは役不足だから、佐藤輝を下位に置けばいい。左投手が相手でも一発のある打者は怖いもの。今後のチームのことを思えば大山、佐藤輝にこの舞台を経験させないといけないし、使わずに負けると悔いが残る。本来の形に戻すべきだ。(本紙評論家)

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