障害者の「普通の暮らしと幸せ」追求 田島良昭さん 800人が偲ぶ

田島さんへの追悼の思いを込め、演奏する瑞宝太鼓のメンバー=島原市城内1丁目、島原文化会館

 8月に76歳で亡くなった社会福祉法人南高愛隣会(諫早市)元理事長で最高検参与、田島良昭さんを偲(しの)ぶ会が7日、長崎県島原市内であった。約800人(主催者発表)が参列し、障害者福祉に「普通の暮らしと幸せ」を追求して先駆的に取り組み、罪を繰り返す「累犯障害者」の支援など司法と福祉の連携に尽力した功績をたたえた。
 田島さんは1977年に南高愛隣会を設立し理事長に就任。障害者の就労支援やグループホームの取り組みをいち早く取り入れた。「累犯障害者」支援にも注力し、全国に先駆けてモデル事業を実践。福祉サービスにつなぐ「地域生活定着支援センター」は本県を皮切りに全国に広がった。
 最高検の林眞琴検事総長は田島さんへの感謝状を長男で現理事長の光浩さん(47)に贈呈。法相名で特別感謝状が贈られ、弔辞が読み上げられた。元厚生労働事務次官の村木厚子さん(65)が参列者を代表して、遺影が掲げられた祭壇に花を手向けた。
 同法人の知的障害者のプロ和太鼓グループ「瑞宝太鼓」団長、岩本友広さん(45)家族が当事者代表として登壇。「おとうさん」の後押しで就職、結婚、子育てと「一歩一歩踏み出して幸せをつかむことができた」と感謝の言葉を述べた。瑞宝太鼓のメンバー10人が追悼の思いを込めて演奏した。
 光浩理事長は「福祉の活動家として熱く生き、時代を駆け抜けた。多くの人に愛され、支えられ、父は自分が思う道を精いっぱい歩むことができた」とお礼を述べた。

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