県内福祉事業の指導監査 301法人・施設に文書指摘 2020年度

 長崎県は9日、県内の社会福祉法人などを対象に2020年度実施した指導監査の結果を公表した。監査した944法人・施設のうち約3割の301法人・施設に対し、運営規程の不備改善や給与・手当の適正支給などを求める文書指摘をした。新型コロナウイルス感染症の影響で指導監査の実施率は29.0パーセント(前年度42.6パーセント)にとどまり、文書指摘件数は計739件(同1203件)と減少した。
 指導監査は、福祉施設などの適正な運営やサービス向上のため毎年実施。20年度は▽社会福祉法人24▽社会福祉施設447▽介護保険施設・事業所232▽障害福祉サービス事業所241-を監査した。
 文書指摘数は、障害福祉サービス事業所が478件で最多。165事業所が運営規程や非常災害対策の不備、介護給付費の誤算定などを指摘された。社会福祉施設のうち児童福祉施設(保育所や児童養護施設など)は、121施設が計229件の指摘を受けた。規定通りに給与・手当が支払われていなかったり、有給休暇が適切に付与されていないケースなどが89件あった。
 県民からの情報提供などを基に実施した3件の特別監査では、職員の配置基準を満たしていないとして1件を改善勧告、1件を文書指導。1件は本年度に継続とした。
 中核市の長崎、佐世保両市にある施設などは両市が監査するため県公表分には含まれない。

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