【BOX】井上拓真「通過点として勝ちたい」和気慎吾との王座戦の計量パス

前日計量をパスした井上拓真(左)と和気慎吾(大橋ジム提供)

元WBC世界バンタム級暫定王者井上拓真(25=大橋)が10日、都内でWBOアジアパシフィック・スーパーバンタム級王座決定戦(11日、後楽園ホール)の前日計量を行い、リミットの55・3キロでパス。対する元東洋太平洋スーパーバンタム級王者和気慎吾(34=FLARE山上)も55・0キロで一発クリアした。

この日、オンラインで取材に応じた井上拓は「(減量は)バンタムに比べて気持ち的にも少し余裕ができた分、ストレスなく落とすことができた」と、終始リラックスした表情。調整も順調だったようで「バッチリ仕上がりました」と語った。

2019年11月にWBCバンタム級王座統一に失敗し、今年1月には栗原慶太(一力)に判定勝ちで東洋太平洋同級王座を獲得。その後、王座を返上して1階級上のスーパーバンタム級で初のタイトル戦に臨む。10か月ぶりのリングとなるが「問題なくという感じですね」と、試合間隔を気にする様子はない。

対戦相手の和気については「印象としては国内のスーパーバンタム級ではトップ選手。しっかり集中して戦っていきたいですね」と警戒しつつ「相手に撃たせないというのを徹底していく」と強調。続けて「集中したら負ける相手ではないので、そこは何もさせずに勝つというのが大前提ですね」と言葉に力を込めた。

兄でWBAスーパー&IBF世界バンタム級統一王者の尚弥には「いつもどおり、しっかり勝てよ」と言葉をかけられた。この一戦を次につなげるべく「見据えているのは世界だけなので、ここは通過点として何が何でも勝ちたい」と井上拓。世界への扉を自らの手で開くつもりだ。

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