食品企画開発などを手掛ける長崎県佐世保市の「エスプランニング」が市内にスイーツ製造拠点を立ち上げ、11日から本格稼働する。新型コロナウイルスの影響で消費が落ち込み従前の回復が難しい中、人気の高い佐世保スイーツ「佐世保開港ロールケーキ」などを製造し、県外出荷などで活路を見いだす考えだ。
同社など飲食関係業者でつくる「させぼっくす協同組合」は、市の委託を受け道の駅「させぼっくす99」(同市愛宕町)を運営。レストランや物販を手掛け、園田郁子社長は駅長も務める。コロナ禍による売り上げの減少を受け、園田社長は昨年から「コロナが落ち着いても人々の行動様式は変わる。お客さんはかつてのようには戻らないだろう」と見通し、新たな収益確保を模索した。
着目したのは「佐世保開港ロールケーキ」などのスイーツ。道の駅で販売され人気も高いが、製造を外注していたため生産量をコントロールできなかった。そこで製造拠点を設けることを発案。「佐世保開港ロールケーキ」の製造に携わった三浦英樹シェフパティシエにアドバイスをもらいながら、準備を進めてきた。1カ月間で約3千個の製造を目指すという。
県外の大手百貨店系列のスーパーなどと手を組み、販路拡大を図ろうとしている園田社長。「拠点が軌道に乗ることは、従業員の雇用を守ることにもつながる」と話している。