海に落ちた男性救助 「秀徳丸」船長らに感謝状 比田勝海保

署長感謝状を受けた、(前列左から)大束船長、誠貴さん、吉川さん=対馬市、美津島町漁協本所

 海中転落した漁船の乗組員を救助したとして、長崎県対馬市の比田勝海上保安署は4日、同市の美津島町漁協所属の漁船「秀徳(しゅうとく)丸」の大束一裕船長(45)、大束誠貴さん(18)、吉川勇樹さん(34)に感謝状を贈った。
 同保安署によると、転落事故は10月16日午前1時半ごろ発生。同市北部の上対馬町三ツ島沖で、アナゴかご漁船「豊玉(ほうぎょく)丸」の乗組員の男性(33)が、漁に使うかごを洗っていた際に海に転落し、一時行方不明になった。約10分後に気付いた豊玉丸の男性船長(48)はすぐに捜索を開始して118番通報し、後方を航行していた僚船の「秀徳丸」にも連絡した。
 大束船長ら3人は協力して三ツ島から北東約9キロの沖合で、救命用の浮輪につかまっていた男性を発見。午前2時20分ごろ、ロープを使って救助した。男性にけがはなかった。
 男性は転落時、とっさに漁船の側面に備え付けられた浮輪をつかんでおり、浮輪の反射材の光などが捜索の手掛かりになった。同保安署の鈴木直之署長から感謝状を受けた大束船長は「暗闇で反射材がなければ見えなかった。偶然が重なって無事に助けることができてよかった」と話した。


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