2025年度国文祭 長崎県開催で有識者会議 平和発信やレガシー化を

国文祭、芸文祭の開催意義などについて意見を交わした有識者会議=長崎市、出島交流会館

 2025年度の長崎県開催が内定した国内最大の文化の祭典、国民文化祭(国文祭)と全国障害者芸術・文化祭(芸文祭)に向け、基本構想案を策定する有識者会議の第1回会合が12日、長崎市出島町の出島交流会館で開かれ、県内外の文化・芸術、経済界などの関係者が活発な意見を交わした。
 同会議は県美術館館長の小坂智子氏、長崎自動車社長の嶋崎真英氏ら委員17人で構成。事務局を務める県文化観光国際部の中﨑謙司部長が、他県での開催の様子をスクリーンに映して紹介し、両文化祭の概要を説明。開催意義について「本県固有の文化の魅力を広く発信し、国内外とのさらなる交流拡大につなげていく大きな契機となる」などとする県の基本構想案を示した。
 委員らはその開催意義や方向性について論議。「文化的歴史を踏まえて、国民に訴えかけるスケール感のあるコンセプトがほしい」「障害者の文化芸術のすそ野を広げていくポイントになるのではないか」などの意見が出された。「一過性に終わらせず、文化活動を地域のレガシー(遺産)として根付かせていくことが大切」「被爆80年に当たるため、平和の発信をきちんと打ち出した方がいい」という指摘もあった。
 同会議は今後複数回開き、来年度中に基本構想案を策定する。

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