町屋活用しコワーキングスペース 「高田町家こめつぶ」開業へ  「雁木の精神」後世に 一級建築士の小林拓也さん

 町屋を活用したコワーキングスペース「高田町家こめつぶ」の開業準備が、上越市本町2で進んでいる。14日、関係者向けの内覧会が行われた。

 同施設を運営するのは、上越市出身の一級建築士で、建築設計事務所のりしろ(東京都西東京市)社長の小林拓也さん(39)。上越に生活拠点を移すことになり、古民家をサテライトオフィスとしながら、他の部屋をコワーキングスペースとして活用することを考えた。2階建て町屋の2階部分をオフィスやイベント会場として貸し出し、1階にはコーヒー豆の焙煎(ばいせん)販売所「まめつぶ珈琲焙煎所」を開業する。

改修が進む町屋の2階と小林さん。2階部分を貸し出し、1階には建築設計事務所のオフィスやコーヒー豆の焙煎販売所が入る

 東京では土地の隅々まで建物として活用することが一般的な一方で、雁木は私有地の一部を公共利用に開放していることに、建築士の観点から興味を抱いた。「雁木の精神を形として残していきたい。お店をすることで、街の元気につなげられたら」と小林さんは話す。コーヒー焙煎所も、漂う香りを雁木を歩く人に楽しんでもらいたいという発想が背景にあるという。

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