金子農相 20日に諫早湾干拓視察 佐賀知事との面会予定なし

 金子原二郎農相は16日、国営諫早湾干拓事業の現地視察で20日に佐賀、長崎両県を訪問することで調整していることを明らかにした。開門問題の解決に向け、これまでの会見では「特に佐賀県の話を聞きたい」「(佐賀県知事と)会うのが第一」と発言してきたが、視察に疑問を呈した山口祥義知事との面会は今のところ予定されていないという。
 農相の諫干視察は慣例になっており、金子農相は就任後初めて。歴代農相は長崎県諫早市の干拓農地や佐賀県の漁場などを視察し、両県知事らと意見交換してきた。金子農相は佐賀県内で開門派漁業者の弁護団らと面会。長崎県では干拓農地などを視察し、中村法道知事らと意見を交わす予定。
 山口知事もこれまで歴代農相と会ってきたが、金子農相就任後は会見で「佐賀県に非開門前提で話を聞きに来られるという趣旨がよく分からない」と訪問の趣旨を明確にするよう注文。これに対し、金子農相は「これまで何人もの大臣が開門しない前提の中で現地を訪問し、話をしてきている。なぜ(農相が)私になったらそういう話になるのか、よく分からない」と逆に疑問を投げかけ、面会したい意向を示していた。


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