エンゼルスがシンダーガード獲得を正式発表 待望のエース候補

日本時間11月17日、エンゼルスはメッツからFAとなっていた先発右腕ノア・シンダーガードと1年2100万ドルで契約したことを正式に発表した。シンダーガードはメッツでプレーした6年間で121試合(うち120先発)に登板し、47勝31敗、防御率3.32、奪三振率9.74を記録。メジャー2年目の2016年にはオールスター・ゲーム選出を果たした。トミー・ジョン手術により直近2年間で2試合しか登板していないが、エンゼルスにとっては待望のエース候補となる。

現在29歳のシンダーガードは2015年のメジャーデビュー以来、メジャーの先発投手で最速となる速球の平均球速97.6マイル(約157キロ)を誇る剛腕投手である。同期間に700イニングを投げた投手のなかでは被本塁打率(9イニングあたり0.80本)が最もよく、奪三振率(9イニングあたり9.74個)もナ・リーグ8位という好成績。トミー・ジョン手術前のような力強いピッチングを取り戻すことができれば、エンゼルスにとって大きな戦力となることは間違いない。

シンダーガードの加入により、エンゼルスの先発ローテーションは大谷翔平、シンダーガード、パトリック・サンドバル、ホゼ・スアレスの4人が中心となる見込み。FAとなったアレックス・カッブとの再契約が噂されており、カッブとは別にもう1人先発投手の補強に動く可能性もある。リード・デトマーズ、グリフィン・キャニングといった若手投手も控えている。

少なくとも現時点では補強は順調に進んでいるが、シンダーガードと1年2100万ドルで契約したことにより、残りの補強資金は3000万ドル前後しか残っていないとみられる。先発投手のさらなる補強や守護神ライセル・イグレシアスとの再契約、さらには遊撃手や控え捕手など補強ポイントは非常に多く、この3000万ドルで十分な補強ができるかどうかはペリー・ミナシアンGMの手腕にかかっている。今後エンゼルスがどんな動きを見せるか注目だ。

なお、シンダーガードはメッツからクオリファイング・オファーを提示されているため、他球団移籍によってドラフト指名権の補償と喪失が発生する。メッツは戦力均衡ラウンドBのあと(=3巡目の前)に補償指名権を獲得し、エンゼルスは2番目に高い順位の指名権と国際ボーナスプール50万ドルを失う見込みだ。

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