長崎のまち 市民ら原点体感 「開港フェスタ」きょうまで 

歩行者天国となった国道34号で、マーチングパレードする長崎商業高吹奏楽部員=長崎市万才町

 長崎開港450周年を祝う「長崎開港フェスタ450」が20日、長崎市中心部の国道34号(万才町)、出島表門橋公園(江戸町)の2会場で始まった。訪れた市民は、海外との貿易や文化交流で発展してきた「まちの原点」を体感し、先人の功績に思いをはせた。21日まで。
 長崎は、ポルトガル船が入港した1571年に開港。入り江に突き出た岬(県庁跡地)があり、万才町にかけた一帯に最初の6町(島原、大村、平戸、横瀬浦、外浦、文知)を置く「町建て」が行われた。
 フェスタは長崎開港450周年記念実行委が主催。国道34号会場は、かつて6町があった場所(県庁跡地前-長崎市立図書館)で、国道約300メートルを歩行者天国として開放。展示やステージ、飲食コーナーなどがあり、多くの市民でにぎわった。同実行委会長の田上富久長崎市長は「長崎の町を支えてきた先人に感謝し、開港500年に向けて、みんなで町を前に進めていこうという思いを込めた」と開幕を喜んだ。
 出島表門橋公園会場では、長崎くんちの「演(だ)し物」の来航船5隻を展示。「オランダ船」の踊町である江戸町自治会の中川安英副会長は「各町の誇りである船がそろう光景は一生に一度の機会だろう。開港450年ならではの楽しみで感動した」と話した。
 期間中、県庁跡地が開放され、二つの会場を結ぶ連絡路を設置。仮設の物見台から望む国指定史跡「出島和蘭商館跡」などの風景を市民らが楽しんでいた。

県庁跡地の仮設の物見台から出島を眺める市民=長崎市江戸町

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