巨人・陽岱鋼〝急転退団〟でささやかれる「年俸10分の1」 自分を見つめ直す契機に…

価値が暴落していた陽岱鋼(東スポWeb)

まさに急転直下だ。巨人は陽岱鋼外野手(34)に来季契約を結ばず、自由契約とすることを25日に通知し、今季限りで退団することが決まった。

陽岱鋼は2016年オフに日本ハムから巨人にFAで加入。5年契約最終年だった今季は大半がファーム暮らしとなり、一軍出場は巨人移籍後でワーストとなる7試合にとどまった。退団の理由について球団側は「陽選手から、来季は新たなステージで挑戦したいとの申し出があり、球団はこれを了承しました」と説明している。

とはいえ、もともと球団側は来季も契約する方針だった。事態が〝急転〟した一因とささやかれているのが、球団が提示した年俸額という。

球界関係者は「2000万円や3000万円程度だったと聞く。陽岱鋼にとっては金額がすべてではないだろうけど、そうした球団の『評価』が今後を考えるきっかけになったのではないか」とみる。

プロの世界で年俸は選手の価値を示す一つの指標となる。巨人での5年間は故障や打撃不振に悩まされることが多く、年間を通じて活躍することはできなかった。そうした過去を踏まえてはじき出された提示額だったはずだが、陽岱鋼の推定年俸は3億円。減額制限(陽岱鋼の場合は上限40%減の1億8000万円)をはるかに上回り、10分の1ほどまでに価値が暴落した現実を突きつけられ、自分を見つめ直す契機となったとの見立てだ。

今オフは育成選手として再契約を結ぶ方針だったホープの山下が、支配下としてプレーすることを希望して退団。球団が描く来季構想に狂いが生じていることも現実で、これ以上の流出をいかに防ぐかもカギとなりそうだ。

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