ソフトバンクに大朗報「モイネロ残留濃厚」 政治問題の影響と大型契約用意で “早期決着”も

ソフトバンク・モイネロ(東スポWeb)

今オフ、鷹の最大ミッションの一つである「モイネロ再契約問題」が大きく前進している。ソフトバンクのリバン・モイネロ投手(25)は、今季で5年契約が満了。「キューバの至宝」と呼ばれる救援左腕は、5年間で通算226試合に登板、15勝8敗、11セーブ、114ホールド、防御率2・29の好成績を残して常勝軍団を下支えしてきた。かねて来季以降の去就については「日米大争奪戦」が勃発すると見られてきたが、ここにきて球界内から「ソフトバンク残留濃厚」との見方が相次いでいる。

2018年にMLBとキューバ野球連盟(FCB)間で締結されたポスティング制度により、モイネロは22年以降に「亡命」せずにメジャー挑戦が可能となるはずだった。だが、トランプ政権下で〝国交〟がストップ。歴史的移籍制度も白紙に。それでも、今年バイデン政権が誕生したことで米国が融和政策に舵を切り、交流が再開すると見られていた。実際に今季開幕前、フロントが「モイネロは今季限り」と腹をくくっていたのは事実。だが、バイデン政権下の米国とキューバの関係は一向に改善せず、MLBとFCB間のポスティング制度も復活することはなかった。

ゆえに、モイネロが最短でメジャーへ渡るにはこれまでと変わらない危険な手段とされる「亡命」しか選択肢がない状況が延々と続いている。両国の関係改善が今後数か月で進展する可能性は極めて低く、モイネロ残留を望むソフトバンクに〝追い風〟が吹く形となった。

今夏にかけて、ソフトバンクはキューバ政府関係者と複数回に渡り接触。良好な関係の継続を確認してきた。キューバ国内で「ポスティング制度でメジャーに挑戦する歴史的第1号」と目されていたモイネロだったが、政治問題に翻弄される形で鷹残留が濃厚な情勢が日に日に強まっている。

そもそもメジャー以外ならホークス1択で、鷹とは相思相愛のモイネロ。球団は「サファテ級の功労者」と認め、外国人選手としては異例の3年契約も視野に大型契約を用意しているとみられる。例年キューバ人選手との再契約は、窓口であるキューバ政府との交渉締結時期が年明けとなる影響で11月末が提出期限の「保留者名簿」は通過儀礼的に外れる措置を取ってきたが、今回は異例の早期決着となる観測もすでに広がっている。

また、球団はモイネロの心強い同胞であるデスパイネ、グラシアル(ともに今季で2年契約満了)との再契約に向けても前向きな意向を現時点で持っているとみられる。

愛する博多に戻る鉄腕。それもまた「運命」と言えそうだ。

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