「説明不十分だった」性被害訴訟 髙見大司教が釈明 長崎地裁

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 カトリック長崎大司教区の男性神父から性被害を受け、大司教区の事後対応で心的外傷後ストレス障害(PTSD)が悪化したとして、県内の女性信徒が大司教区に550万円の損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が29日、長崎地裁(古川大吾裁判長)であった。教区トップの髙見三明大司教が尋問に出廷し、症状を悪化させたとされる自身の発言について「説明が十分でなかった」と釈明した。
 訴状などによると、2018年に性被害を受けた女性に対し大司教区は翌19年、賠償金を支払った。だが、髙見氏がその後の内部会議で「(女性を)『被害者』と言えば加害が成立したとの誤解を招くので『被害を受けたと思っている人』など別の表現が望ましい」と発言したとする議事録が神父らに配布された。女性は被害がなかったかのような表現にショックを受けたとしている。
 髙見氏は発言を認め、男性神父が不起訴になったことを受け「犯罪として成立していないので、言葉を区別した方がいい」と知人記者から助言を受けたと説明。女性が被害を受けていないという認識があったのかを問われると、「決してない」と否定した。
 その上で、「被害を受けたと思っている人」という表現は「被害を受けたと第三者が思っている人」という意味だったと主張。「女性が被害を受けたと思い込んでいる」という解釈を否定し、「あいまいな言い方だったが、『被害者』という意味でしか使っていない」と釈明した。
 女性の代理人弁護士は閉廷後、報道陣の取材に「議事録の発言は女性が主張する捉え方しかできず、大司教の言う読み方は文章としてありえない。おかしな言い訳だということがはっきりした」と語った。
 女性の本人尋問は12月20日に実施される予定。