外国人アスリートの「特例」認められる? 入国制限で…スポーツ庁国際課に聞いてみた

スポーツ庁の回答は…(東スポWeb)

特例は是か非か――。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」感染拡大に対する水際対策を巡って〝アスリート特例〟に関する議論が過熱している。

岸田文雄首相は全世界を対象に外国人の入国の禁止を発表。迅速な〝鎖国〟に踏み切った判断は国民からおおむね高評価を得たが、30日には日本国内でのオミクロン株感染者が出てしまった。

そんな中、外国人が参加するスポーツイベントに関して、来日を特別に認めるか否か?で賛否が真っ二つ。特にフィギュアスケートのグランプリファイナル(12月9日開幕、大阪)は男子世界王者のネーサン・チェン(米国)、女子15歳のカミラ・ワリエワ(ロシア)らが出場するだけに開催可否判断は大きな注目を集めている。「特例を認めたらキリがない。中止にすべき」という声もあるが、逆に「感染対策をしっかりして開催してほしい」という開催派もいる。

この日、スポーツ庁に大会申請している日本スケート連盟は「こういうことがあったので『どうなりますか?』と問い合わせている。ただ国が決めることでわれわれが決めることではない。ウチは待っているだけ」と話した。

では、政府は何を基準に決めるのか? 管轄するスポーツ庁国際課に問い合わせると「現在、政府の方針発表を踏まえた対応を確認中」とした上で、アスリートの「特例」についての見解を示してくれた。まず今回の方針が出る前の話として「特段の事情があるかどうか。公益性、緊急性、または感染防止措置がきちんと取れるかなど、スポーツ団体から申請書を出してもらい、それをわれわれが協議して認めるのが基本」と説明。緊急事態宣言中のイベントは全てこの流れで実施してきた。

しかし、今回の「全外国人の入国禁止」で状況は一変。これまで「緊急性」「公益性」などを尺度に判断されてきたが「昨日(29日)出された方針で全く違う状況になりました。ただ、細かい部分はまだ発表はされていないので、個別の案件について確認しているところです。まだどうなるかは分かりません」(同担当者)としている。つまり、従前の条件などはいったん白紙になったようだ。

複数の関係者は「開催に向けて準備している」としているが、十分な説明もなく特例を認めれば、大きな批判が出ることは間違いない。国民は何度も苦い経験をしているだけに、慎重な判断が求められる。

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