スアレス退団で阪神の〝新守護神〟は? 助っ人補強方針も求められる若手の奮起

スアレスの穴を埋めるのは?(東スポWeb)

ロベルト・スアレス投手(30)の退団が決まった阪神では、守護神の〝後継者探し〟が急務となった。

すでに今季、MLBで32試合に登板の右腕・カイル・ケラー投手(パイレーツ)をリストアップするなど、助っ人補強でも穴埋めを計る見込みだが「他の選手にとっては、ものすごいチャンス」と現在の選手もよく知る球団OBは、むしろ若手投手たちの奮起に期待を寄せている。

「プロ野球の世界でレギュラーとか取るチャンスってそう何度もあるわけじゃない。逆に言えば、この状況で自分のポジションを奪えないようでは〝先〟も見えてくるよ」とハッパをかけつつ「抑えとセットアッパーの2枠が空いている。来年、優勝を目指すチームで、こんな状況はそうはない。普通はこの枠はキャンプが始まる前から埋まってる」との声だ。

指摘の通り、今季のブルペンで固定起用は、8回のセットアッパー左腕・岩崎、9回のスアレスのみ。2人はチームトップの62試合に登板したが、それに続くのは46試合の岩貞、39試合の及川の両左腕。右腕では44試合登板の馬場を筆頭に小林、斎藤、小川、石井大など、年間を通じ一軍に定着しきれずに終わった面々が数多くいる。開幕投手を務めながら不調で中継ぎに回った藤浪晋太郎(27)もまた、可能性のある一人だろう。

前出OBがあくまで日本人選手に期待する理由には、近年では通算243セーブを挙げた藤川球児氏(現SA)以外、長く国産の新守護神が誕生していていないことにも関連する。藤川氏以外は近年の虎の守護神は呉昇桓(14年~)、ドリス(16~19年)、スアレス(20~21年)らの助っ人が務めてきた。この流れを変えるいい機会になるとも踏んでいる。

「ソフトバンクがいい例。サファテが長く抑えをやった時期に、セットアッパーに森唯人がいて。サファテがいなくなった後、普通に後釜に森が抑えになった。それを考えれば、最低一人は必ず誰か出てこないと。そうなれば仮に外国人が突然、いなくなったとしても、今回のようなことで心配する必要もなくなる」

チームの未来像を安定させる効果に加え、自分自身のためにも、猛虎の中継ぎたちは来季、野球人生をかけて臨む価値が大いにありそうだ。

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