新型コロナウイルスの新しい変異株「オミクロン株」の出現について長崎大熱帯医学研究所の有吉紅也教授は1日、ワクチンの不平等な分配がもたらした可能性を指摘した。
同大大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科の副研究科長でもある有吉教授。アフリカの中で比較的進んでいる南アフリカでも接種率は20%台。アフリカ中央部の中にはほとんど接種が進んでいない国もあるという。
有吉氏は「ウイルスが増えるところで変異株が出てくる。われわれが3回目を打つんだったら、彼らの1回目を必ず打てるようにと皆さんには思いをはせてほしい」とし、「健康は世界中つながっている。自分たちの健康を考えるときにほかの国はどうかということを考えて」と続けた。
一方で南アフリカがゲノム(全遺伝情報)解析の結果を公表した数日後に世界保健機関(WHO)が、オミクロン株を警戒レベルが高い「懸念される変異株(VOC)」に指定したことにふれ、「1、2年前では考えられない速さで世界にゲノム情報が伝わり、日本も水際対策を取ることができた。グローバルヘルスは進化している」とも述べた。
オミクロン株の出現 “ワクチン格差”影響の可能性指摘 長崎大熱研・有吉教授
- Published
- 2021/12/02 10:30 (JST)
- Updated
- 2021/12/02 10:47 (JST)
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