労使交渉決裂でロックアウト突入 26年ぶりにメジャーの動きがストップ

日本時間12月2日14時に現行の労使協定が失効し、メジャーリーグはロックアウトに突入した。メジャーの動きがストップするのは1994~95年のストライキ以来26年ぶり。メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会は新たな労使協定の締結に向けて交渉を行っていたが、両者の溝は埋まらず、交渉がまとまらないまま現行の労使協定の失効期限を迎えた。メジャーリーグ公式サイトからは現役選手の顔写真や関連ニュースなど、様々なコンテンツが撤去される事態となっている。

ロックアウト突入が確実視されていたこともあり、今オフの移籍市場では失効期限直前の「駆け込みトランザクション」が目立った。FA市場にはすでに17億ドル以上の資金が投入され、契約延長に使われた資金も総額5億ドル規模。ここ数日だけでもマックス・シャーザー、コリー・シーガー、マーカス・セミエン、ロビー・レイ、ハビアー・バイエズといった大物FA選手たちが契約を決めた。

一方、菊池雄星のようにFAのままロックアウトを迎えた選手も多数おり、ポスティング制度による30日間の交渉期間中の鈴木誠也はメジャー球団との契約交渉を一時中断。今季ソフトバンクでプレーしたニック・マルティネスはパドレスとの契約合意が報じられたものの、ロックアウトまでに正式契約には至らず、厳密にはFAのままとなっている。

ロックアウト前の最終日となった日本時間12月2日、メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会は45分間のミーティングのあと、休憩を挟んでミーティングを再開したものの、2度目のミーティングはわずか7分で終了。メジャーリーグ機構側の提案を選手会側が拒否し、ミーティングの続行が不可能になったという。FA制度から戦力均衡システム、ユニバーサルDH、ドラフト制度、ポストシーズン拡大など、議論の対象となっている項目は多岐にわたり、失効期限までに決着をつけることはできなかった。

双方ともロックアウトは「労使交渉に集中するための期間」と位置付けており、2022年シーズンの開幕を危険にさらすような事態になることは望んでいない。よって、遅くともスプリング・トレーニングが始まる2月中旬ごろまでには決着がつくものと思われるが、依然として両者の主張や提案には大きな乖離がある。交渉がまとまり、新たな労使協定が締結されるのはいったいいつになるのだろうか。

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