名簿不正に伴う真鶴町長選、さらに2新人が出馬表明 画家・小野寺氏と元会社役員・大塚氏

(左から)小野寺傳二氏、大塚伸二氏

 神奈川県真鶴町の選挙人名簿抄本を不正にコピーし、町長選に使用などしていたとして松本一彦前町長が辞職したことに伴う真鶴町長選(12月14日告示、同19日投開票)に、ともに新人で、画家の小野寺傳二氏(73)と、元会社役員の大塚伸二氏(65)が3日、無所属で立候補する意向を表明した。同町長選への出馬表明は5人となった。

 小野寺氏は会見で「名簿流出問題に憤りを感じる。前町長が名簿を持ち出し、使用したことなど全てが問題だ。長年の海外生活経験を生かした町づくりをしたい」と出馬理由を説明。

 英語学習や学生向け海外研修制度などの教育支援、移住促進のための空き家対策などを公約に掲げた。町の魅力を伝えるため「町内でアートフェアを積極的に開催したい」と述べた。

 「寺田琳」名義で画家活動する小野寺氏は、青森市出身で、仙台市立仙台高校卒。19歳でアート活動を始め、ドイツに18年間在住し、作品の制作や発表をしてきた。

 大塚氏は会見で「行政経験が無い町民として、町の良心を託してもらう受け皿になりたい」と説明。名簿流出問題については「厳しい対処が必要だと思う。町の信頼回復には法令順守の再構築などが必要だ」と訴えた。

 民間経験を生かした文書取り扱いの仕組みや再発防止策の策定を主張。移住促進に向けて「町の観光資源を生かし、イベントの周知などを働き掛けたい。課題に前向きに取り組みたい」と話した。

 大塚氏は高松市出身で、早稲田大卒。銀行員を経て、外資系保険会社で役員を務めた。「真鶴ボランティアガイドの会」代表。

 同町長選には元町長の宇賀一章氏(69)と元町議の森敦彦氏(70)、新人の北沢晃男氏(51)がいずれも無所属で出馬を表明している。

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